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オーストラリアでスポンサー就労できる職種は?日本人のシェフや大工が482ビザとAEWVで確かめたい条件

Tips · 2026-10-15 · 10 min read

ブリスベンの明るいレストラン厨房で、日本人女性シェフが仕込み用の野菜を確認し、奥で男性シェフが盛り付けをしている。

オーストラリアでスポンサー就労できるかどうかは、まず「職種」で決まります。Skills in Demand ビザ(サブクラス482、以下482ビザ)では、雇用主があなたを指名する職業が内務省(Department of Home Affairs)の職業リストに載っていることと、その職業で1年以上の経験があることが出発点です。ニュージーランドの認定雇用主就労ビザ(Accredited Employer Work Visa, AEWV)では、認定雇用主からの求人と、同じ分野での2年以上の経験か一定レベルの資格が鍵になります。シェフ、建設、農場の仕事を例に、自分の職種に道があるかを確かめる順番を整理します。

482ビザとAEWV、職種の見方はどう違う?

どちらも雇用主によるビザスポンサーで働くビザですが、職種の扱い方が違います。

項目オーストラリア(482ビザ)ニュージーランド(AEWV)
職種の条件Core Skills streamでは、Core Skills Occupation List(CSOL)に載った職業で指名される認定雇用主の求人で、雇用主がその仕事のjob check(ジョブチェック)の承認を受けている。週30時間以上で、市場水準以上の給与
経験・資格指名される職業か関連分野で、過去5年以内に1年以上の経験同じ分野で2年以上の経験、またはNZQCFレベル4以上の資格
働ける相手指名した雇用主のもとで、指名された職業だけ求人を出した認定雇用主
滞在できる期間最長4年多くの仕事で合計5年まで。ANZSCOのスキルレベル4・5の仕事は合計3年まで
英語英語の要件あり(IELTSなら4技能すべて5.0以上など)ANZSCOかNOLのスキルレベル3〜5の仕事で、英語力の証明が必要

ここでは、482ビザのうち職業リストが直接関わるCore Skills streamを中心に見ていきます。ビザ全体の流れはSkills in Demand ビザ(482)の解説、AEWVの申請の流れはニュージーランドのAEWVの解説にまとめています。

オーストラリア:自分の職業がCSOLに載っているかを確かめる

482ビザは、オーストラリア国内で適した人が見つからない仕事を、技能のある外国の働き手で埋めるための一時ビザです。Core Skills streamでは、雇用主はCSOLに載っている職業であなたを指名し、その職業の市場水準の年収(AMSR)以上、かつ所得基準(CSIT)以上を支払う必要があります。2026年7月1日から2027年6月30日までに出される指名では、CSITは79,423豪ドルです。

職業が載っているかは、内務省の技能職業リスト(skill occupation list)のページで確かめられます。この一覧では、職業ごとにCSOL、MLTSSLなどのどのリストに入っているかと、技能審査を行う機関(assessing authority)が分かります。CSOLは2022年版のANZSCOの職業名で書かれているので、仕事内容の説明まで読み比べましょう。

リストにない職業でも、政府と雇用主が結ぶ労働協約(labour agreement)や、州や地域ごとの指定地域移民協定(DAMA)を使う雇用主なら、対象の職業が広がります。業界ごとの協約には、酪農、漁業、園芸、食肉、養豚、高級レストランなどがあります。

職種別に見る:シェフ・建設・農場で確かめたいこと

シェフ・調理の仕事

技能審査を行う政府機関Trades Recognition Australia(TRA)の482ビザ向け審査は、職業ごとに対象国が決まっています。シェフ(Chef 351311)とコック(Cook 351411)の対象国はバングラデシュ、ブラジル、中国、インドなどで、TRAの対象国リストに日本は入っていません。技能審査が必要な人は、ビザの申請前に審査を始めておかないと申請が有効にならない点も覚えておきましょう。

日本の調理師免許は、飲食店などで2年以上調理の仕事をしたあと都道府県の試験に合格するか、指定の調理師養成施設で1年以上学ぶことで取得できる、都道府県知事の免許です。この免許がオーストラリアのビザでどう扱われるかは、技能審査を行う機関に確認してください。大阪の居酒屋や東京の和食店で仕込みからメニュー作りまで担当してきたなら、その中身を英文の在職証明書で示せることが大切です。

調理の求人には、ブリスベンのChefの求人やウーロンゴンのChef de Partieの求人などがあります。ビザスポンサーの条件は各求人ページで確かめてください。

建設・電気・配管などの技能職

建設の職人の仕事は、職業ごとにリストや技能審査の扱いが違うので、一つずつ確認が必要です。特に電気工(Electrician)は、TRAの482ビザ向けの審査が必須です。永住ビザでは、電気工、配管工、空調・冷凍設備の技術者がTRAの海外技能審査(OSAP)を受ける必要があります。

もう一つ大事なのは、技能審査と現地の免許は別ものだという点です。TRAはオーストラリアの資格や職業免許を出す機関ではありません。たとえばNSW州では、海外で訓練を受けた電気工や配管工は、OSAPで技能の記録を得たうえで、オーストラリアの基準に合わせた補習訓練と監督下での勤務が必要です。ニュージーランドでも、電気工は登録が先に必要で、配管工はニュージーランドの免許がないと制限された作業はできません。

大工やれんが積み、タイル張りの考え方は手に職でオーストラリアを目指す日本人向けの記事、電気工・配管工・溶接工のニュージーランドでの働き方はニュージーランドで働く職人向けの記事で詳しく紹介しています。求人の例はクライストチャーチのCarpenterの求人やシドニーのStonemasonの求人です。

農場・畜産の仕事

農場の仕事はワーキングホリデー(ワーホリ)で経験する人が多い分野ですが、ワーホリは雇用主がスポンサーになる就労ビザとは別のビザです。オーストラリアのワーホリ(サブクラス417)では、同じ雇用主のもとで働けるのは通常6か月までで、内務省は、働くことが滞在の主な目的なら就労ビザを考えるよう案内しています。

オーストラリアには、園芸、酪農、食肉、養豚など農業に関わる業界の労働協約があり、こうした協約を使う雇用主がスポンサーになる形もあります。一方、ニュージーランドのAEWVでは、園芸やぶどう栽培での植え付け、手入れ、収穫、箱詰めの仕事は求人として認められていません。ファームジョブの経験を生かしてスポンサー就労を目指すなら、この線引きを先に知っておきましょう。

ニュージーランド:AEWVは「求人」と「経験2年か資格」で決まる

AEWVで最初に必要なのは、認定雇用主からの求人です。雇用主から申請フォームへのリンクが送られてきて、そこから申請します。求人は、週30時間以上で、雇用主がその仕事のjob checkの承認を受けていて、市場水準以上の給与であることが条件です。細かい条件はニュージーランド移民局(Immigration New Zealand, INZ)のAEWVのページで確かめられます。雇用主が認定を受けているかは、移民局の認定雇用主リストで会社名かNZBNを検索して確かめられます。

本人の側では、仕事と同じ分野での2年以上の経験か、NZQCFレベル4以上の資格を示します。仕事のスキルレベルがANZSCOかNOLで3〜5なら英語力の証明も必要で、英語試験の結果は2年以内のものに限られます。スキルレベル1・2の仕事では、この英語の証明はいりません。2026年からは、国の職業リスト(NOL)でスキルレベル1〜3の職業が47追加され、シェフの職業も含まれています。

ニュージーランドで長く暮らす道を考えるなら、グリーンリスト(Green List)も見ておきましょう。Tier 1の職業は直接の居住ビザ(Straight to Residence Visa)に、Tier 2の職業はニュージーランドで2年働いたあとの居住ビザ(Work to Residence Visa)につながります。

職種の判断を左右するのは、職名より「経験の証明」

482ビザの申請では、雇用主のレターヘッドに書かれた職務経歴の証明(employment reference)が必要です。推薦者の名前・役職・連絡先、あなたの職位と勤務期間を入れ、技能のレベルが分かるだけの期間をカバーします。CVには、少なくとも過去5年分の職歴と学歴を、期間と職位つきで書きます。

職名より仕事の中身が見られる点は、管理職の日本人がオーストラリアで働くために見られることを解説した記事でも取り上げています。英文CVの準備にはBuild AI CVで職務内容が伝わる英文CVを作る方法があります。任意ですが、Talent Tabloidの認証済みプロフィールがあると、雇用主があなたの経験を確かめやすくなり、応募が目に留まりやすくなることもあります。

自分の職種に道があるかを確かめる手順

  1. 日本でしてきた仕事を、期間・職場・主な作業ごとに書き出します。パートやアルバイトも、合計でフルタイム12か月分になれば482ビザの経験に数えられます。
  2. 内務省の職業リストで、仕事内容が近いANZSCOの職業を探し、CSOLに載っているか、技能審査の機関はどこかを確認します。
  3. 技能審査が必要な場合は、TRAのPathfinderなどで自分に合うプログラムを調べ、ビザの申請前に始めます。
  4. ニュージーランドも考えるなら、同じ分野で2年以上の経験か、NZQCFレベル4以上の資格があるかを確かめ、グリーンリストも見ておきます。
  5. 英文の在職証明書と、過去5年分の職歴が分かる英文CVを用意します。
  6. JobsAbroad Japanのビザスポンサー付きの求人一覧から、職種と勤務地が合う仕事を選んで応募します。応募は無料です。

よくある間違いと避け方

  • 日本の職名だけで判断する:リストの職業名が似ていても、仕事内容が違えば別の職業です。ANZSCOの説明と、実際にしてきた作業を比べましょう。
  • ワーホリの仕事をスポンサーと思い込む:就労ビザは別に申請が必要です。
  • 技能審査と現地の免許を混同する:電気工や配管工は、審査とは別に州やニュージーランドの免許・登録が必要です。
  • スポンサーのためにお金を払う:オーストラリアでは、ビザのスポンサーになってもらうために雇用主にお金を払うことは、給与からの天引きも含めて違法です。不許可や取り消し、罰金や懲役につながることがあります。ニュージーランドの雇用主も、仕事の紹介料を求めることはできません。
  • ビザの取得を約束する話を信じる:オーストラリアのビザを約束できる人はいません。ビザや永住権、市民権を約束する話は、あなたを誤解させるものです。

よくある質問

482ビザの対象になる職業のリストはどこで確認できますか?

内務省の技能職業リスト(skill occupation list)のページで、職業ごとにCSOLなどどのリストに入っているかと、技能審査を行う機関を確認できます。482ビザのCore Skills streamでは、CSOLに載った職業で雇用主に指名されることが条件です。職業名は2022年版のANZSCOで書かれているので、仕事内容の説明まで読み比べましょう。

日本の調理師免許があれば、オーストラリアでシェフとして働けますか?

免許だけで決まるわけではなく、482ビザでは雇用主による指名と、指名される職業での過去5年以内の1年以上の経験が必要です。調理師免許がビザの手続きでどう扱われるかは、技能審査を行う機関に確認してください。担当してきた仕事を英文の在職証明書で示せるようにしておきましょう。

ワーホリで働いている職場に、そのままスポンサーしてもらえますか?

ワーホリは雇用主がスポンサーになる就労ビザとは別のビザなので、同じ職場で働き続けたい場合も、雇用主の指名を受けて482ビザを新しく申請することになります。482ビザはオーストラリア国内からも申請できますが、有効なビザ(substantive visa)かブリッジングビザA・B・Cを持っていることが条件です。

ニュージーランドの果樹園やぶどう園の仕事でAEWVは取れますか?

園芸やぶどう栽培での植え付け、手入れ、収穫、箱詰めの仕事は、AEWVの求人として認められていません。スポンサー就労を目指すなら、これらの作業ではない求人を探しましょう。

スポンサー就労から永住権につながる職種はありますか?

オーストラリアでは、482ビザで働く人を雇用主が雇用主指名制度(サブクラス186)で指名できる場合があり、Temporary Residence Transition streamでは通常2年以上のフルタイム勤務と45歳未満が条件です。ニュージーランドでは、グリーンリストのTier 1とTier 2の職業が居住ビザにつながります。ただし、ビザや永住権を約束できる人はいないので、条件は公式ページで確かめてください。

まとめ

  • 482ビザは「CSOLに載った職業」と「過去5年以内に1年以上の経験」が出発点です。
  • AEWVは、認定雇用主の求人と、同じ分野で2年以上の経験かNZQCFレベル4以上の資格が鍵です。
  • 電気工や配管工は、技能審査と現地の免許・登録の両方を確かめましょう。
  • ニュージーランドの園芸の収穫や箱詰めはAEWVの対象外で、ワーホリはスポンサーとは別のビザです。
  • スポンサーのためにお金を払うことは違法です。経験は職名ではなく仕事の中身で示しましょう。

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