オーストラリアの Skills in Demand ビザ(482):分かりやすいガイド

日本から、雇用主のスポンサーでオーストラリアに働きに行く人が増えています。このページでは、技能不足ビザ「Skills in Demand ビザ」の仕組みを説明します。申請できる人、技能と英語、健康と警察の証明書、手続きの順番、家族、そして永住への道です。

最終更新日: 2026-10-03.

482ビザとは?

調理師、溶接工、介護職、農場の仕事などで、オーストラリアで働きたいと考えていますか。それなら、将来の雇用主が使うのはおそらくこのビザです。ひとつずつ説明します。

まとめ。 正式な名前は Skills in Demand(SID)ビザ、サブクラス482です。国内で必要な技能を持つ人が見つからないとき、オーストラリアの会社が外国人をスポンサーするために使います。一時滞在のビザで、期間は最長4年です。482ビザでさらに長くいたい場合は、雇用主がもう一度あなたを指名し、あなたが新しいビザを申請します。

三つのストリーム。 「ストリーム」(stream)とは、ビザの中にある別々の道で、それぞれルールがあります。

  • Core Skills:中核技能職業リスト(Core Skills Occupation List、CSOL)にある職種向けです。このサイトの技能職、飲食、介護の仕事の多くはこのストリームです。
  • Specialist Skills:一部の職種で、Specialist Skills 所得基準(146,576豪ドル(2026年10月時点、公式ページ))以上の給与を受け取る高収入の人向けです。技能職、機械オペレーター、労働者の仕事は使えません。
  • Labour Agreement:オーストラリア政府と労働協約(特別な契約)を結んだ雇用主向けです。協約に独自のルールがあることもあります。

申請できるのは誰?

このサイトのオーストラリアの仕事の多くは Core Skills ストリームです。次の点を自分で確かめてみましょう。

  • スポンサー:会社が承認済みのスポンサーであるか、Standard Business Sponsor の申請をしていること。会社があなたの指名を申請します。
  • リストにある職種:あなたの仕事が中核技能職業リストに載っていて、そのポジションが本当にあなたの技能を必要としていること。
  • 公正な給与:その仕事の年間市場給与(Annual Market Salary Rate)に合い、Core Skills 所得基準を下回らないこと。2026年7月1日から2027年6月30日までに申請された指名では、基準は79,423豪ドルです(2026年10月時点、公式ページ)。同じ仕事をするオーストラリア人と同等以上の給与であることも必要です。
  • 職歴:指名された職種、または近い職種で少なくとも1年。次の項目で説明します。
  • 英語、健康、素行:これらの要件を満たし、オーストラリアにいる間ずっと適切な医療保険に入っていること。
  • 年齢:482ビザに年齢の上限はありません。

当てはまりそうですか。オーストラリアのスポンサー付きの仕事を見てみましょう。

技能と職歴

  • 必要な職歴:直近5年のうちに、指名された職種または近い職種で、合計で少なくとも1年。仕事の間に空白があってもかまいません。フルタイムで合計12か月分あれば大丈夫です。
  • 資格:職種が求める資格と、仕事に必要ならオーストラリアの免許や登録。
  • 技能審査:一部の職種だけで必要です。多くは VETASSESS や Trades Recognition Australia(TRA)が行います。日本の資格や職歴も、この方法で改めて確認されることがよくあります。技能審査が必要な場合は、ビザの申請前に結果が出ていないと申請が有効になりません。結果は申請日より前の3年以内に出たものでなければなりません。
  • 技能審査が不要な場合も、内務省は資格証、免許、在職証明書、CVなどの技能の証拠を求めることがあります。

ヒント:資格証をすべて一冊のファイルにまとめ、日本語の書類には英訳を付けておきましょう。

英語はどのくらい必要?

Core Skills と Specialist Skills のストリームでは、免除がない限り英語力を示す必要があります。2025年9月13日以降に受けた試験では、技能ごとの最低点は次のとおりです(2026年10月時点、公式ページ)。

試験リスニングリーディングライティングスピーキング
IELTS(General Training または Academic)5.05.05.05.0
OET220240200270
PTE Academic33362924
TOEFL iBT88914
  • 申請する時点で、試験の結果が3年以内のものでなければなりません。
  • 自宅で受ける試験や、IELTS Online のような完全オンラインの試験は認められません。試験会場で受けましょう。
  • ほかの試験も認められています。たとえば Michigan English Test、LANGUAGECERT Academic、CELPIP General です。それぞれの点数は公式ページにあります。
  • 免除される人もいます。たとえば、アメリカ、イギリス、アイルランド、ニュージーランド、カナダのパスポートを持つ人や、中等教育以上で主に英語で、フルタイムで少なくとも5年学んだ人です。
  • Labour Agreement ストリームでは、協約で独自の英語の基準を決めていることがあります。

ヒント:近くのIELTSやPTEの会場を探して、早めに予約しましょう。話す練習だけでなく、聞く・読む・書く練習もしておきましょう。

健康、保険、素行

  • 健康:申請に含まれる全員が健康要件を満たす必要があります。たいていは健康診断を受けます。結果は通常12か月有効です。
  • 医療保険:オーストラリアに着いた日から出国する日まで、適切な医療保険が必要です。
  • 素行:あなたと、16歳以上の家族が確認を受けます。主に警察の証明書で確認します。過去10年を振り返り、16歳になってから合計12か月以上住んだ国ごとに証明書が必要です。日本もその一つで、必要なのは犯罪経歴証明書(Police Certificate/Certificate of Criminal Record)です。日本国内では住民登録のある都道府県の警察本部に本人が申請し、その場で指紋を採ります。海外からは日本大使館・総領事館に申請します。証明書は封をした状態で渡されます。

手続きの順番

  1. 雇用主が、まず国内で人を探します。 ほとんどの場合、会社はオーストラリア国内での採用を試す必要があります。これを労働市場テスト(labour market testing)といいます。指名の前の4か月以内に、少なくとも2件の求人を、それぞれ4週間以上オンラインに出します(労働市場テストのルール)。
  2. あなたが応募し、オファーを受けます。 CVを送り、面接(多くはビデオ通話)を受け、仕事のオファーをもらいます。
  3. 会社がスポンサーになります。 まだ承認されていなければ、会社が申請します。
  4. 会社があなたのポジションを指名します。 そのあと、指名の参照番号である Transaction Reference Number(TRN)をあなたに知らせます。
  5. あなたが書類をそろえます。 パスポート、技能の証拠(必要なら技能審査の結果)、英語試験の結果、犯罪経歴証明書、在職証明書、翻訳です。
  6. あなたがビザを申請します。 ImmiAccountでTRNを入れて申請し、ビザ申請料を払います。
  7. 生体情報と健康診断。 内務省に求められたら受けます。生体情報とは、顔写真と指紋のことです。
  8. 結果。 ビザは、指名が承認されてからでないと下りません。
  9. 仕事を始めます。 オーストラリアに着いてから(すでにオーストラリアにいる場合はビザが下りてから)90日以内に働き始める必要があります。

待つ期間と費用

現在の審査期間(内務省の検索ツールによる(2026年10月時点、公式ページ)):

482ビザのストリーム50%が完了するまで90%が完了するまで
Core Skills ストリーム4か月9か月
Specialist Skills ストリーム37日78日
Labour Agreement ストリーム5か月9か月

この数字はよく変わり、あなたの申請はもっと早いことも遅いこともあります。申請の前の期間も考えておきましょう。仕事探し、スポンサーと指名、技能審査、英語試験、警察の証明書は、それぞれ数週間かかることがあります。

政府の手数料(2026年10月時点、公式ページ):主申請者と18歳以上の家族は一人4,015豪ドル、18歳未満の家族は一人1,005豪ドルです。英語試験、健康診断、警察の証明書、生体情報などの費用も自分で払います。2026年7月1日からは、対象となる太平洋島嶼国と東ティモールの国民は、より低い手数料になっています。

ビザを持っている間のルールと権利

  • 働く場所:スポンサー(場合によっては関連する会社)のもとで、指名された職種でだけ働きます。
  • 働き始める日:90日以内です。
  • 仕事を失ったら:新しいスポンサーを探すか、出国の準備をするまで、最長180日あります。
  • 費用:スポンサー、指名、採用の費用はスポンサーが払い、あなたに払わせることはできません(スポンサーの義務)。スポンサーを受けて働く人にも、オーストラリアのほかの働く人と同じ職場での権利があります。詳しくは働く人の権利を読んでください。

配偶者と子ども

  • 一緒に行ける人:配偶者またはパートナーと、扶養する子ども(あなたの子、またはパートナーの子)を申請に含められます。
  • 家族ができること:オーストラリアで暮らし、働き、学ぶことができます。
  • 指名:家族一人ひとりが指名に含まれているか、スポンサーが家族もスポンサーすることに書面で同意している必要があります。
  • 前もって考える:申請したあとで家族を追加することはできません。後から来る家族は「subsequent entrant」(後から入国する家族)として別に申請します。
  • 手数料と確認:家族一人ひとりにビザ申請料がかかります(費用の項目を参照)。全員が健康要件を、16歳以上は素行要件も満たす必要があります。

長く住むには:サブクラス186

スポンサーを受けて働く人の多くが、オーストラリアに根を下ろしたいと考えます。そのための永住ビザが雇用主指名制度(Employer Nomination Scheme、サブクラス186)です。482ビザを持つ人は、多くの場合 Temporary Residence Transition(TRT)ストリームを使います。おおまかに言うと(2026年10月時点、公式ページ)、次のことを示す必要があります。

  • サブクラス482か457のビザ、または有効なブリッジングビザ(bridging visa、つなぎのビザ)を持っていること。
  • 申請前の3年のうち、条件を満たすスポンサー付きの仕事を合計2年していること。
  • あなたを指名する雇用主が、482か457のビザで直近にあなたがフルタイムで働いたスポンサーで、申請前の6か月以内にあなたの指名が承認されていること。
  • ほとんどの場合、申請時に45歳未満であること。
  • 少なくとも Competent English(たとえばIELTSでリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各技能6)の英語力があること(Competent English の説明)。このストリームに英語の免除はありません。

186ビザの申請料は6,140豪ドルからです(2026年10月時点、公式ページ)。永住のルールはよく変わります。計画を立てる前に公式ページを読んでください。

日本から、または今いる国から準備する

オーストラリアにいなくても、準備は始められます。ほとんどの準備は日本で、または今住んでいる国でできます。以下は、ビザを判断するオーストラリア政府の機関、内務省(Department of Home Affairs)の一般的なルールをもとにしたリストです。計画づくりに使い、ご自身のケースは公式ページで必ず確認してください。

  1. パスポート。 有効なパスポートが必要です。期限が近い場合、内務省は申請前の更新を勧めています。申請に使うパスポートと、出国に使うパスポートを同じにするためです。
  2. 犯罪経歴証明書。 過去10年を振り返ってください。16歳になってから、合計12か月以上住んだ国はどこですか。その国ごとに警察の証明書が必要です。日本の場合は犯罪経歴証明書(Police Certificate/Certificate of Criminal Record)です。日本に住民登録がある方は、住んでいる都道府県の警察本部(東京都は警視庁)に申請します。パスポート(コピー不可)、住民票などの住所が分かる書類、証明書が必要な理由を示す書類(内務省からの書面など)を用意します。海外に住んでいる方は、最寄りの日本大使館・総領事館に申請します。ワーキングホリデーや海外勤務などで、ほかの国にも同じくらい長く住みましたか。その場合は、その国の証明書も必要です。内務省には国別の警察証明書の取り方があり、日本も載っています。証明書は通常、発行日から12か月間有効として扱われます(内務省の素行要件)。
  3. 学歴と資格。 大学・専門学校・高校の卒業証明書と、調理師免許や電気工事士などの資格証を集めます。英文の卒業証明書は、卒業した学校に頼めることが多いです。日本の資格は、オーストラリアで改めて審査されることがよくあります。職業によっては技能審査(skills assessment:オーストラリアの審査機関があなたの技能を正式に確認する手続き)が必要です。時間がかかることがあるので、早めに始めましょう。
  4. 職歴の証明。 これまで働いた会社ごとに、会社のレターヘッド入りの英文の在職証明書をもらいます。署名する人の氏名・役職・連絡先と、あなたの職名、勤務の開始日と終了日を書いてもらいましょう。内務省は、少なくとも直近5年分を書いた履歴書(CV)も求めています。CVは英語で、職名・期間・主な仕事を一行ずつ短く書きます。
  5. 英語試験。 IELTSかPTEを選ぶ人が多いです。試験会場で受ける試験でなければなりません。完全オンラインの試験は認められません。結果は大切に保管しましょう。
  6. 翻訳。 日本語の書類には、すべて英訳が必要です(戸籍謄本や、日本語だけの証明書など)。翻訳者はオーストラリア国外にいてもよく、認定翻訳者でなくてもかまいません。ただし翻訳ごとに、翻訳者の氏名、住所、電話番号、資格と経験を書く必要があります。
  7. 名前とスキャン。 各ページをカラーでスキャンします。そのうえで、すべての書類の氏名と生年月日を見比べてください。日本人の名前は、書類によってローマ字の書き方が変わりがちです(OHNO と ONO、SHUN と SYUN など)。英文の証明書や試験の成績は、パスポートのローマ字表記に合わせてもらいましょう。結婚などで姓が変わった方は、戸籍謄本の英訳で旧姓とのつながりを示せるようにしておきます。違いがあれば、早めに説明しましょう。

ワーキングホリデービザ(Working Holiday visa)は、雇用主がスポンサーになる就労ビザとは別のビザです。今ワーキングホリデーで働いている職場でも、スポンサーを受けるには雇用主側の手続きを経て、就労ビザを新しく申請する必要があります。また、仕事やビザを「手配する」と言って前払いを求める人には、お金を払わないでください。

詐欺とよくあるミスを避ける

ビザのトラブルの多くは、うますぎる約束から始まります。次のルールを知っておけば、おかしな話にすぐ気づけます。

  • ビザを約束できる人はいません。 内務省は、オーストラリアのビザを保証できる人はいないとはっきり述べています。オーストラリアは「労働許可証」やビザのスタンプを売っていません。それを買わないかと言う人からは離れましょう。
  • スポンサーの枠は売り買いできません。 スポンサー、指名、採用の費用は雇用主が払い、あなたに回すことはできません。スポンサーと引き換えにお金や見返りを渡す、求める、受け取ることはルール違反です。直近3年以内にこれをしていると、482ビザが下りないことがあります。
  • ビザの相談料は登録された人にだけ。 オーストラリアでビザの手助けで報酬を受け取れるのは、登録移民エージェント(registered migration agent、RMA)かオーストラリアの弁護士だけです。払う前にOMARAの名簿でエージェントを調べ、費用の内訳を書いた契約書をもらいましょう(移民エージェントの選び方)。
  • 政府の手数料はImmiAccountで払います。 ImmiAccountは、オーストラリアのビザ用の公式オンラインアカウントです。ビザ申請料はそこで払い、ビザが下りるときに政府が別の料金を取ることはありません。
  • よく見かけるミス:実際の経験と合わない職種を選ぶ、英語試験や警察の証明書の期限が切れている、家族を申請に入れ忘れる(申請後には追加できません)、書類によって氏名や日付が違う。

内務省の詳しい情報:ビザ詐欺、詐欺について知っておくこと。

よくある質問

482ビザでオーストラリアにどのくらいいられますか?

最長4年です。さらに長くいたい場合は、雇用主が新しい指名を申請し、あなたが新しいビザを申請します。

職歴は何年必要ですか?

直近5年のうちに、指名された職種または近い職種で少なくとも1年です。空白があってもかまいません。フルタイムで合計12か月分あれば大丈夫です。

IELTSは何点必要ですか?

2025年9月13日以降に受けた試験では、免除がない限りIELTSの各技能で少なくとも5.0が必要です(2026年10月時点)。PTE Academic、OET、TOEFL iBT などほかの試験の点数は、内務省の英語のページにあります。

482ビザに年齢制限はありますか?

いいえ、Skills in Demand ビザに年齢の上限はありません。ただし、永住ビザのサブクラス186(TRTストリーム)では、通常45歳未満であることが求められます。

482ビザの費用はいくらですか?

2026年10月時点で、あなたと18歳以上の家族は一人4,015豪ドル、18歳未満の子どもは一人1,005豪ドルです。英語試験、健康診断、警察の証明書の費用も自分で払います。詳しくは内務省のページを見てください。

仕事を失ったらどうなりますか?

新しいスポンサーを探すか、出国の準備をするまで、最長180日あります。

482ビザは永住につながりますか?

つながることがあります。直近3年のうちにスポンサー付きの仕事を2年すると、雇用主指名制度(サブクラス186)のTRTストリームを使えます。雇用主があなたを指名し、あなたが年齢と Competent English の要件を満たす必要があります。

日本の犯罪経歴証明書はどうやって取りますか?

日本に住民登録がある方は、住んでいる都道府県の警察本部(東京都は警視庁)に本人が申請し、その場で指紋を採ります。海外に住んでいる方は、最寄りの日本大使館・総領事館に申請します。オーストラリア内務省の国別のリストに、日本の犯罪経歴証明書(Police Certificate/Certificate of Criminal Record)の取り方が載っています。