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オーストラリアの就労費用、ワーホリと482ビザでは誰が何を払う?日本から出る前の予算表

Tips · 2026-10-18 · 10 min read

メルボルンの明るいキッチンで、日本人女性がノートパソコンと電卓をそばに置き、ノートに渡航費用の予算を書き込んでいる。

オーストラリアで働くための費用は、ワーホリで行くか、雇用主によるビザスポンサーで行くかで、払う人もお金の中身も大きく変わります。ワーキングホリデービザ(Working Holiday visa、サブクラス417)は1回目の申請料が840.00豪ドルで、ほかに当面の生活費としてふつう約5,000豪ドルと、オーストラリアを出るための航空券代(または航空券)が必要です。一方、技能不足ビザ「Skills in Demand ビザ(サブクラス482)」は本体の申請料が4,015.00豪ドルですが、スポンサーになる費用やノミネーション(指名)の費用、Skilling Australians Fund(SAF)負担金は雇用主が払うもので、働く人に回すことはできません。この記事では、ニュージーランドの場合も含めて、公式の数字だけで出発前の予算を整理します。

費用の早見表:ワーホリとスポンサー付き就労ビザ

金額はどれも、オーストラリアの内務省(Department of Home Affairs)とニュージーランド移民局(Immigration New Zealand, INZ)が示している数字です。円の額は為替で変わるので換算せず、豪ドルとNZドルのまま載せています。

ワーホリの費用オーストラリア(サブクラス417)ニュージーランド(Japan Working Holiday Visa)
申請できる年齢申請時に18〜30歳18〜30歳
ビザの申請料1回目840.00豪ドル、2回目・3回目1,000.00豪ドルINZの公式ページで確認
生活資金の目安当面の滞在にふつう約5,000豪ドル少なくとも4,200NZドル
帰りの手段出国の航空券代、または航空券出国の航空券、または買えるだけのお金(生活費とは別)
医療費保険への加入を強くすすめられ、医療費は全額自己負担医療保険の証明を求められることがある
就労ビザの費用金額誰の費用か
482ビザの申請料4,015.00豪ドルビザ申請の費用(負担する人は雇用契約の前に確認)
家族を含める場合18歳以上は1人4,015.00豪ドル、18歳未満は1人1,005.00豪ドルビザ申請の費用
スポンサーの承認420豪ドル雇用主(働く人に回せない)
482のノミネーション(指名)330豪ドル雇用主(働く人に回せない)
SAF負担金年間売上高$10 million未満の企業は1年ごとに1,200豪ドル、それ以上の企業は1,800豪ドル雇用主(申請者に回せない)
AEWVの申請料1,540NZドルからビザ申請の費用
ニュージーランドでの採用費用雇用主ごとに違う雇用主(働く人に払わせられない)

ワーホリの費用:申請料より大きいのは最初の生活資金

ワーホリで一番大きな出費は、申請料ではなく、着いてから仕事が見つかるまでの生活資金です。内務省が示す約5,000豪ドルと帰りの航空券代に申請料を足したものが、出発前に用意したいお金の土台になります。

医療費も見落としやすい費用です。内務省は417ビザの人に医療保険への加入を強くすすめていて、オーストラリアでの医療費はすべて自分で払うことになると説明しています。

お金はタイミングにも左右されます。内務省は、ワーホリの審査期間を平均3か月ほどに戻しているところだとし、ビザが出るまでは航空券の予約や、仕事・学校の約束をしないよう呼びかけています。先に航空券を押さえると、ビザが間に合わないときに変更の手間やお金がかかるおそれがあります。

働き方の上限も資金計画に関わります。417ビザでは同じ雇用主のもとで働けるのはふつう6か月までで、内務省は、滞在の主な目的が働くことなら就労ビザを考えるよう案内しています。

2年目を考えるなら、2回目と3回目の申請料は1,000.00豪ドルです。2回目のビザには、1回目のビザで「指定された仕事(specified work)」を3か月、つまり最低88日することが必要です。延長の仕組みをめぐる話題はワーホリ延長と抽選についての記事で取り上げています。ファームジョブを探すときは、収穫やパッキングの求人が集まるSeasonal Jobs Australiaで地域や時期を見比べられます。

ニュージーランドのJapan Working Holiday Visaでは、生活費として少なくとも4,200NZドルが必要です。申請後、INZからその資金の証明、医療保険の証明、出国の航空券(または航空券を買えるお金。生活費とは別)を求められることがあります。申請はオンラインで、英語で行います。申請料はINZのJapan Working Holiday Visaのページで確かめてください。

INZは、6か月以内の犯罪経歴証明書や、3か月以内の胸部X線・健康診断を求めることもあります。健康診断の支払いを受け取れるのは指定のパネルドクターなどの医師だけで、INZがその支払いを直接求めることはありません。

スポンサー付き就労ビザの費用:雇用主が払うもの、自分で払うもの

482ビザは、オーストラリア人で埋められない仕事に、雇用主が技能のある人をスポンサーするための一時ビザです。本体の申請料は、Core Skills、Specialist Skills、Labour Agreementのどのストリームでも4,015.00豪ドルです。パートナーや子どもを含める場合は、18歳以上は1人4,015.00豪ドル、18歳未満は1人1,005.00豪ドルが加わります。最新の額は内務省のビザ料金表(Visa Pricing Table)に載っています。

雇用主の側には、別の費用があります。スポンサーの承認に420豪ドル、482のノミネーション(指名)に330豪ドル、さらに上の表のSAF負担金がかかります。内務省は、スポンサーになる費用と指名の費用はすべて雇用主が払うもので、ビザを持つ人やその家族に回すことはできないとしています。SAF負担金も、申請者に回してはいけません。詳しくは内務省のスポンサーにかかる費用のページで確認できます。

ここが一番大事な点です。オーストラリアでは、スポンサーしてもらうために雇用主にお金を払うことは違法で、給料から差し引く形でも同じです。不許可や取り消し、罰金や懲役につながることもあります。「スポンサー代」などの名目で雇用主の費用の肩代わりを求められたら、その話は進めないでください。

482ビザでは、滞在中ずっと十分な医療保険に入っていることがビザの条件なので、保険料は毎月の固定費として見込みます。482ビザの条件や流れはSkills in Demand ビザ(482)の分かりやすいガイドに、申請料が上がったときの予算の立て方は482ビザの申請料と予算についての記事にまとめています。

ニュージーランドの認定雇用主就労ビザ(Accredited Employer Work Visa, AEWV)は1,540NZドルからで、仕事によって最長5年まで滞在できます。ニュージーランドの雇用主は、仕事の紹介料を働く人に請求したり、採用にかかった費用を払わせたりすることはできず、第三者を通した形でも同じです。仕事のオファーと引き換えに、本人や代理人が雇用主にお金を申し出た場合、INZはAEWVの申請を却下します。

AEWVのしくみはニュージーランドの就労ビザAEWVのガイドで、手数料が上がり続ける背景はニュージーランドのビザ手数料についての記事で解説しています。雇用主が認定を受けるまでに何を払い、何を約束するのかは、雇用主側の費用を英語でまとめた解説記事が参考になります。

日本で出発前に払う費用

ビザのほかにも、日本で払うお金があります。内務省も、ビザの申請料とは別に、英語試験、健康診断、犯罪経歴証明書、生体情報(バイオメトリクス)の費用がかかると案内しています。

  • 英語試験:日本英語検定協会のIELTSテストセンターでは、コンピューター版のIELTS(Academic・General Training)が税込29,700円です(2026年9月1日以降の申し込み、支払いはクレジットカードのみ)。就労ビザや雇用主が英語試験を求める場合に備えて、本番の前にPractiseNowでIELTS形式の練習を重ねておくと落ち着いて受けられます。
  • 犯罪経歴証明書(Police Certificate):警視庁は手数料を無料としています。公印確認やアポスティーユが必要な場合は、外務省での手続きになります。東京では申請から約2週間で受け取りになり、郵送はされません。
  • 技能審査(スキルアセスメント):482ビザでは、職種によって技能審査が必要になります。Trades Recognition Australia(TRA)のTSS技能審査は、受ける必要がある人の場合、Pathway 1が最大5,320豪ドル、Pathway 2が2,020豪ドルです。TRAのTSSプログラムの対象国リストに日本は入っていません。どのプログラムに当たるかはTRAのPathfinderで確かめましょう。
  • 国外運転免許証:警視庁では2,250円で、有効期間は発行から1年、更新はできません。

日本の住民税も予算に入れておきましょう。江戸川区は、ワーキングホリデーで出国する人について、海外での滞在は「居住」ではなく「旅行」と扱うため、1年以上出国していても区内に住所があるものとして課税するとしています。また、出国する年の住民税(前の年の所得の分)は、その年の1月1日に住民登録していた市区町村に全額納めます。扱いは、お住まいの市区町村で確かめてください。

出発までの予算づくりの手順

  1. 行き方を決める:ワーホリか就労ビザかで、自分で払う費用の中心が変わります。
  2. 公式ページで今の金額を書き出す:金額は変わることがあるので、申請の直前にも見直します。
  3. 生活資金と帰りの手段を用意する:早見表の目安額に、医療保険の費用を足しておきます。
  4. 雇用主が払う費用を書面で確かめる:雇用契約にサインする前に、ビザの申請料を誰が払うのかも確認します。
  5. ビザが出てから航空券を買う。
  6. 支払いは公式の窓口だけにする:オーストラリアのビザはImmiAccountが唯一の公式の申請サイトです。INZはビザ料金を銀行口座への振り込みで求めず、申請フォームでのカード払いか、認められたビザ申請センターでの支払いだけを受け付けます。

費用は実際の求人と並べて考えると具体的になります。たとえばブリスベンのシェフ(Chef)のビザスポンサー付きの求人のように、調理の経験を生かせる仕事もあります。JobsAbroad Japanでは応募は無料です。

よくある間違いと避け方

  • 申請料だけで予算を組む:ワーホリで大きいのは生活資金と、自己負担になる医療費です。
  • 「スポンサー代」を払う、給料からの差し引きを受け入れる:オーストラリアでは違法で、ニュージーランドでも雇用主は採用の費用を働く人に払わせられません。
  • 申請代行業者に任せきりにする:外務省は、ワーホリのビザ申請を代行する業者とのトラブルが報告されているとして、利用する場合でも政府や大使館の情報を自分で確かめるよう呼びかけています。外務省がワーホリ制度で連携している民間団体は、今のところありません。
  • 自宅で受けるオンライン英語試験を選ぶ:IELTS Onlineのような試験はオーストラリアのビザでは認められず、受け直しになれば受験料がもう一度かかります。
  • ワーホリで働けばスポンサーにつながると思い込む:ワーホリは雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。就労ビザを考えるなら、費用の計算も別に立てましょう。
  • 住民税を忘れる:出国する年の住民税も、出発前の予算に入れておきます。

よくある質問

ワーホリでオーストラリアに行くには、いくら用意すればいいですか?

内務省の目安では、当面の滞在にふつう約5,000豪ドルと、出国の航空券代(または航空券)が必要です。これに1回目の申請料840.00豪ドルと、医療保険の費用が加わります。円の額は為替で変わるので、豪ドルで計算しておくと見直しやすくなります。

482ビザの費用は誰が払うのですか?

スポンサーの承認(420豪ドル)、ノミネーション(330豪ドル)、SAF負担金は雇用主が払うもので、働く人やその家族に回すことはできません。本体の申請料4,015.00豪ドルを誰が負担するかは、雇用契約の前に雇用主と書面で確かめておきましょう。

ニュージーランドのワーホリでは、資金はいくら必要ですか?

INZは、Japan Working Holiday Visaの条件として、生活費に少なくとも4,200NZドルを持っていることを挙げています。申請後に、その証明や医療保険の証明、出国の航空券(または航空券を買えるお金)を求められることがあります。

雇用主にお金を払えば、スポンサーしてもらいやすくなりますか?

いいえ。オーストラリアでは、スポンサーしてもらうために雇用主にお金を払うことは違法で、給料からの差し引きでも同じです。ニュージーランドでも、仕事のオファーと引き換えにお金を申し出れば、AEWVの申請は却下されます。

まとめ

  • ワーホリの費用の中心は生活資金です。417は申請料840.00豪ドルと約5,000豪ドル、ニュージーランドは少なくとも4,200NZドルが目安です。
  • 482のスポンサー・指名の費用とSAF負担金は雇用主の負担で、働く人に回すことはできません。
  • スポンサーのためにお金を払うのは違法で、給料からの差し引きも同じです。
  • 航空券はビザが出てから買い、支払いは公式の窓口だけで。
  • 英語試験や住民税など、日本で払う費用も予算に入れる。

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