ニュージーランドの就労ビザAEWV:分かりやすいガイド
ニュージーランドの雇用主が日本からあなたを雇いたいとき、よく使われるのがAEWVです。このガイドでは、三つの審査、申請できる人、英語、健康と警察の証明書、手続きの順番、家族、そして永住について説明します。
最終更新日: 2026-10-03.
AEWVとは?
ニュージーランドの雇用主が海外から人を雇うときは、たいてい一つのビザを使います。ここでは、このビザの三つの審査がどうつながっているか、何を準備すればよいかを説明します。
まとめ。 AEWVは認定雇用主就労ビザ(Accredited Employer Work Visa)の略です。外国人向けの、ニュージーランドの主な一時就労ビザです。政府に認定された雇用主から仕事のオファーを受け、オンライン申請書へのリンクを送ってもらってから申請します。仕事は週30時間以上でなければなりません。給与はその仕事の市場水準で、ニュージーランドの最低賃金などの法定の最低額を決して下回ってはいけません。
AEWVでできない仕事:自営業、外国の漁船の乗組員、そして園芸やぶどう栽培の分野で農作物(果物、野菜、ぶどう)を植える・育てる・収穫する・箱詰めする仕事です。
三つの審査
三つの扉を思い浮かべてください。前の扉が開かないと、次の扉には進めません。
- 一つ目:雇用主。 会社がニュージーランド移民局の認定(accreditation)を受けます。
- 二つ目:仕事。 会社が、あなたのポジションについてINZに「仕事の審査」(job check、ジョブチェック)を申請します。給与と労働条件がルールどおりであること、必要な場合は先にニュージーランドの人向けに募集したことを示します。承認されたジョブチェックは6か月有効です。
- 三つ目:あなた。 雇用主が「ジョブトークン」(job token)という専用のリンクを送ってきます。そのリンクから申請し、技能、英語、健康、素行の要件を満たしていることを示します。
申請できるのは誰?
- 仕事のオファー:ジョブチェックが承認された認定雇用主からのもの。
- 技能:同じ分野で少なくとも2年の経験、またはNZQCF(ニュージーランドの資格の枠組み)でレベル4以上の資格。学士以上の学位なら、分野は問いません。
- 海外の資格:学士より下の資格をビザに使う必要がある場合は、先にNZQAの International Qualification Assessment(IQA)で評価を受けます。
- 技能の要件が免除される場合:たとえばグリーンリストの仕事、登録が必要な仕事、時給67.12NZドル以上の仕事です(2026年10月時点、公式ページ)。
当てはまりそうですか。ニュージーランドのスポンサー付きの仕事を見てみましょう。
英語はどのくらい必要?
仕事のスキルレベルによって違います。ANZSCOは、ニュージーランドが仕事をスキルレベルで分けるのに使う分類です。ANZSCO(またはNOL)のスキルレベル1・2の仕事では、英語力を示す必要はありません。スキルレベル3・4・5の仕事では英語力を示す必要があり、最低点は次のとおりです(2026年10月時点、公式ページ)。
| 試験 | 最低点 |
|---|---|
| IELTS | 総合4.0 |
| OET | 4技能すべてで Grade D 以上 |
| TOEFL iBT | 31 |
| PTE Academic | 29 |
| Cambridge B2 First | 142 |
会場で受ける試験を選びましょう。結果は2年以内のものでなければなりません。
健康と素行
- 結核(TB)の胸部X線検査:6か月を超えて滞在し、結核の少ない国に入っていない国の国籍を持つ場合や、最近そうした国に滞在した場合に必要です。日本はINZの結核の少ない国のリストに入っているので、日本国籍というだけでは通常は必要ありません。ただし、リストにない国に最近滞在していた方は対象になることがあります。X線検査や健康診断の結果は、受診日から3か月以内にINZに届く必要があります。
- 警察の証明書:17歳以上で、ニュージーランドでの滞在が合計24か月以上になる場合に必要です。国籍のある国ごと、そして17歳以降に5年を超えて住んだ国ごとに証明書が必要です。どれも発行から6か月以内でなければなりません。日本の場合は犯罪経歴証明書(Police Certificate/Certificate of Criminal Record)で、日本国内では都道府県の警察本部、海外では日本大使館・総領事館に申請します。
手続きの順番
- 認定雇用主の仕事を探して応募します。
- 面接を受けて、仕事のオファーをもらいます。
- 雇用主が承認の手続きを済ませます:認定を受け、あなたのポジションのジョブチェックを承認してもらいます。
- ジョブトークンを受け取ります。申請用の専用リンクです。
- 書類をそろえます:パスポート、犯罪経歴証明書、健康診断の結果、技能や職歴の証拠、必要なら英語試験の結果と認証された翻訳。
- オンラインで申請し、手数料を払います。
- 結果を受け取り、ニュージーランドに渡って働き始めます。
待つ期間、費用、滞在できる期間
- 待つ期間:INZは申請の80%を5.5週間以内に決定しています(2026年10月時点、公式ページ)。その前に、雇用主の認定とジョブチェック、そしてあなた自身の書類の準備にかかる時間も見ておきましょう。
- 手数料:1,540NZドルから(2026年10月時点、公式ページ)。手数料は国によって違います。公式ページで自分の情報を入れると、手数料が分かります。
- 滞在できる期間:ほとんどの仕事で、合計最長5年です。ANZSCOスキルレベル4・5の多くの仕事では、上限は3年です。時給52.50NZドル以上の仕事やグリーンリストの仕事など、例外もあります(AEWVの期間の上限についてのINZの案内)。上限に達したら、ニュージーランドの外で12か月過ごさないと、次のAEWVを申請できません。
- 滞在中のルール:承認された仕事だけを、自分の雇用主のもとでします。副業はできません。学べるのは、12か月ごとに最長3か月です。
- 転職:雇用主、仕事、勤務地が変わるときは、ビザの条件の変更(variation)か Job Change の申請が必要です。つまり、新しい認定雇用主と新しいジョブチェックが必要になります。Job Change でビザの期間が延びることはありません(ビザの条件の変更についてのINZの案内)。
配偶者と子ども
AEWVはあなた一人のためのビザです。配偶者またはパートナーと子どもは、それぞれビザを申請します。申請できるビザは、あなたの仕事と給与で決まります。主な給与の目安(2026年10月時点、公式ページ):
- 時給52.50NZドル以上:パートナーの就労ビザと、扶養する子どものビザをサポートできます。
- 時給28.00NZドル以上で、ANZSCOスキルレベル1〜3の仕事:パートナーの Partner of a Worker Work Visa をサポートできます。
- 時給28.00NZドル未満:パートナーが申請できるのは観光ビザ(visitor visa)だけです。
- 子ども:子どもの観光ビザや、扶養する子どもの学生ビザをサポートするには、年収が少なくとも58,240NZドル必要です。あなたとパートナーの両方がAEWVを持っている場合は、二人の収入を合わせられます。
グリーンリストの仕事の例外など、ほかにも細かいルールがあります。公式ページを読み、自分の状況と照らし合わせてください。
もっと長く住むには:永住
AEWVは一時滞在のビザです。それでも一部の人にとっては最初の一歩で、後に永住を申請できることがあります(2026年10月時点、公式ページ)。
- グリーンリスト:Tier 1 の仕事は Straight to Residence Visa(すぐに永住)につながることがあります。Tier 2 の仕事は、ニュージーランドでその仕事をフルタイムで24か月したあとに、Work to Residence Visa につながることがあります(グリーンリストからの道)。
- Skilled Migrant Category(SMC):55歳までの人向けの永住ビザで、ポイント制、熟練した職歴、技能職の三つの道があります(SMC永住ビザ)。
永住のルールは変わることがあります。計画を立てる前に公式ページを確認してください。
日本から、または今いる国から準備する
このリストは、ビザを発給するニュージーランド政府の機関、ニュージーランド移民局(Immigration New Zealand、INZ)の一般的なルールをもとにしています。計画づくりに使い、ご自身のケースは公式ページで確認してください。
- パスポート。 有効期限を確認しましょう。ニュージーランドを出国する予定日から、少なくとも3か月以上の有効期間が必要です。
- 犯罪経歴証明書。 17歳以上で、ニュージーランドでの滞在が合計24か月以上になる場合に必要です。国籍のある国ごとに取ります。日本国籍の方は犯罪経歴証明書(Police Certificate/Certificate of Criminal Record)です。日本に住んでいる方は、住んでいる都道府県の警察本部に申請します。海外に住んでいる方は、最寄りの日本大使館・総領事館か、日本で最後に住んでいた都道府県の警察本部に申請します。17歳以降に5年を超えて住んだ国があれば、その国の分も必要です。どの証明書も、申請日の時点で発行から6か月以内でなければなりません。受付の控えではなく、証明書そのものを出してください。INZの警察証明書ツールで、国ごとの取り方を調べられます。
- 職歴の証拠。 自分で書いたものではなく、ほかの人や会社が発行した書類が必要です。在職証明書、給与明細、源泉徴収票などの税の記録、雇用主からの手紙がよい例です。どの書類にも、職名、開始日と終了日、勤め先の連絡先があると安心です。CVだけでは足りません。
- 海外の資格。 学士より下の資格で、それをビザに使う必要がありますか。その場合は先に、NZQA(ニュージーランド資格庁)の International Qualification Assessment(IQA)で評価を受けます。
- 健康診断の結果。 健康診断や胸部X線検査が必要な場合、受診日から3か月以内にINZに届くようにします。
- 認証された翻訳。 警察の証明書と健康診断の書類には、認証された英訳が必要です。「犯罪歴なし」の証明書も同じです。日本の犯罪経歴証明書は、日本語と英語などを併記して発行されます。日本語だけの書類は、早めに翻訳を手配しましょう。本人、家族、あなたの移民アドバイザーは翻訳できません(INZの翻訳のルール)。
日本で働いている方へのヒント:会社ごとに、職名と在職期間を書いた英文の在職証明書をもらい、給与明細と一緒に保管しておきましょう。源泉徴収票や雇用保険の記録も、いつどこで働いたかを示す助けになります。日本語の書類は、すべて翻訳しましょう。AEWVの公式ページに、要件の一覧があります。
ワーキングホリデービザ(Working Holiday visa)は、雇用主がスポンサーになる就労ビザとは別のビザです。今ワーキングホリデーで働いている職場でも、スポンサーを受けるには雇用主側の手続きを経て、就労ビザを新しく申請する必要があります。また、仕事やビザを「手配する」と言って前払いを求める人には、お金を払わないでください。
詐欺とよくあるミスを避ける
ニュージーランドの本物の仕事が、「仕事を得るためにお金を払う」ことから始まることはありません。次のルールを覚えておきましょう。
- 仕事はお金で買えません。 ニュージーランドの雇用主や人材紹介会社は、仕事と引き換えにあなたからお金を取ることはできません。直接でも、ほかの人を通してでも、自分たちの採用費用をあなたに払わせることもできません。
- 仕事を買うと申請を失います。 あなた、またはあなたの代わりの人が、仕事のオファーのために雇用主へお金を払った、または払う約束をしたとINZが判断すれば、AEWVは却下されます。
- INZが取るのは申請料だけです。 INZが、ビザの申請料を銀行口座に振り込むよう求めることはありません。
- 移民の相談には認可が必要です。 移民アドバイザー庁(Immigration Advisers Authority)の認可を受けたアドバイザーか、免除されている人だけが移民の相談に乗れます(移民の相談についてのINZの案内)。アドバイザーを使うかどうかは自由で、自分で申請することもできます。
- よく見かけるミス:第三者の職歴の証拠が必要なのにCVしか出さない、発行から6か月を過ぎた警察の証明書、翻訳のない書類、まだ認定されていない雇用主やジョブチェックが通っていない仕事のオファーを受けてしまう。
詳しくは:詐欺から身を守るためのINZの案内。
よくある質問
仕事のオファーがなくてもAEWVを申請できますか?
いいえ。まず認定雇用主から仕事のオファーを受けます。次に雇用主のジョブチェックが承認され、雇用主からジョブトークンが届きます。そのジョブトークンで申請します。
AEWVには職歴がどのくらい必要ですか?
通常は同じ分野で少なくとも2年、またはNZQCFでレベル4以上の資格です。グリーンリストの仕事や給与がとても高い仕事など、免除される仕事もあります。
AEWVにIELTSは必要ですか?
ANZSCOスキルレベル3・4・5の仕事だけです。その場合、IELTS総合で少なくとも4.0、またはほかの認められた試験で同等の点数が必要です(2026年10月時点)。結果は2年以内のものでなければなりません。
AEWVの審査にはどのくらいかかりますか?
2026年10月時点で、ニュージーランド移民局は申請の80%を5.5週間以内に決定しています。最新の数字はAEWVの公式ページで確認してください。
AEWVで何年いられますか?
ほとんどの仕事で、合計最長5年です。ANZSCOスキルレベル4・5の多くの仕事では最長3年です。そのあとは、ニュージーランドの外で12か月過ごさないと、次のAEWVを申請できません。
配偶者もニュージーランドで働けますか?
あなたの仕事と給与によります。たとえば、時給52.50NZドル以上、またはANZSCOスキルレベル1〜3の仕事で時給28.00NZドル以上なら、パートナーは Partner of a Worker Work Visa を申請できることがあります。
日本国籍でも胸部X線検査は必要ですか?
日本はINZの結核の少ない国のリストに入っているので、日本国籍というだけなら、6か月を超える滞在でも通常は必要ありません。ただし、リストにない国に最近滞在していた方は必要になることがあります。必要な場合、X線検査の結果は受診日から3か月以内にINZに届く必要があります。
雇用主や人材紹介会社が、仕事と引き換えにお金を取ってもいいのですか?
いいえ。ニュージーランドの雇用主や人材紹介会社は、仕事と引き換えにあなたからお金を取ることも、自分たちの採用費用をあなたに回すこともできません。仕事のオファーを買うためにお金を払うと、INZはビザを却下します。仕事を「手配する」と言ってお金を求める人にも、払わないでください。