オーストラリアでIT職を目指す日本のエンジニアへ:審査が遅れる今、代わりの道も考えておくべき?
News · 2026-08-26 · 4 min read

ソフトウェアエンジニアやデータサイエンティストなど、IT職としてオーストラリアで働くことを考えている方は、予定を立てる前に知っておきたい動きがあります。技能ビザの審査の順番が変わり、IT職は後回しになっているという声が業界から上がっているのです。
IT職は優先の列に入っていません
7月に内務大臣の指示が発効してから、オーストラリアの技能ビザは審査の優先順位を入れ替えました。いちばん前は、すでに国内にいる警察・防衛関係の専門職です。次に国外から申請した同じ分野の人、その次に国内から申請した建設、医療、教育の分野の人が続きます。IT職は、優先される分野に入っていません。
移民についての議会の調査では、オーストラリアコンピューター協会(Australian Computer Society, ACS)などの業界団体が同じ傾向を指摘しました。IT職のビザ審査が目に見えて遅くなり、求められたことをすべてこなした優秀な人ほど待たされている、というものです。
いちばん困るのは「先が見えないこと」
調査では、あるIT企業の創業者が、スポンサーしようとしていたデータサイエンティストの話をしました。彼女はいつ、そもそも審査が進むのかも分からないまま待ち続け、結局アイルランドへ移りました。そこではすぐに受け入れられ、今はアメリカで働いているそうです。
選択肢のある人にとって、先の見えない状態は、長くても見通しのある待ち時間より大きな負担になります。6か月でも予定が分かっていれば計画は立てられますが、連絡のないまま1年半待つとなると、ほかの国を選ぶ人が出てくるのは自然なことです。
申請中の人、これから申請する人ができること
- 技能審査(スキルアセスメント)には期限があります。ACSの審査結果は通常2年で切れ、ビザの結果が間に合わずに審査を受け直す人が増えています。期限の前に余裕を持ってカレンダーに入れておきましょう。
- 「速い審査」の目安が守られるとは限りません。7営業日で処理されるはずのビザに何か月もかかった例が指摘されています。公表された期間は、計画上の最短の目安と考えましょう。
- 別の道を調べる価値があります。オーストラリアに拠点のある多国籍企業で働いている人には、企業内転勤のビザという選択肢が業界団体から挙げられています。日本のグローバル企業にお勤めなら、会社に聞いてみるとよいでしょう。
- ほかの国も並行して考えるのは、あきらめではなく賢い備えです。オーストラリアのビザだけを唯一の道と考えない方が安心です。
日本のIT技術者が準備しておきたい書類
どの道を選んでも、書類がそろっているほど話は早く進みます。英文の卒業証明書と在職証明書を早めに用意し、担当した仕事の内容が分かるようにしておきましょう。名前のつづりは、すべての書類でパスポートのローマ字にそろえます。英語試験が求められる場合は、IELTSやPTEの準備も早めに始めると安心です。なお、ワーキングホリデーは雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。
IT人材そのものが減っています
ACSの最新のDigital Pulse報告書では、オーストラリアのIT分野で働く人の数が、2026年に記録が始まってから初めて減ったとされています。一時的に求人が弱まったことも理由に挙げつつ、需要が戻ったときのために移民の道を開いておくことが欠かせないとしています。AIによって求められる技能が、政府の技能リストの更新より速く変わっているためです。今の遅れが長引けば、次のAIとテクノロジーの成長に必要な人材が足りなくなるおそれがあります。
募集中の仕事はビザスポンサー付きの求人一覧で探せます。ビザ審査の新しい優先順位を解説した記事や、AIでホワイトカラーの仕事が変わる中での技能移民の記事もあわせてどうぞ。
よくある質問
IT職のビザは今、受け付けられていないのですか?
受け付けは続いています。ただ、優先される分野に入っていないため、審査に時間がかかっているという声が業界から上がっています。
ACSの技能審査はいつまで使えますか?
通常は2年で期限が切れます。ビザの結果を待つあいだに切れることもあるので、期限を早めに確認しておきましょう。
企業内転勤のビザはだれでも使えますか?
オーストラリアに拠点のある多国籍企業ですでに働いている人向けの選択肢として挙げられています。自分の会社が当てはまるかは、勤め先に確認してください。
求人への応募にお金はかかりますか?
応募は無料です。職業紹介料もかかりません。
まとめ
- 技能ビザの優先順位が変わり、IT職は後回しになっています。
- ACSの技能審査の期限は、早めに確認しておきましょう。
- 公表された審査期間は、最短の目安と考えるのが安全です。
- 企業内転勤やほかの国など、代わりの道も考えておくと安心です。
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