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オーストラリアの人手不足は移民論争より深刻?日本人の働き手が今見ておきたいこと

News · 2026-09-11 · 5 min read

オーストラリアの住宅建設現場で、木材を支え合いながら作業する日本人の男女。

オーストラリアでは今、「移民が多すぎるのではないか」という議論が政治の大きなテーマになっています。ところが、建設現場や農場、高齢者施設、飲食店やホテルの現場から聞こえてくるのは、まったく別の声です。働く人が足りず、仕事が回らないのです。オーストラリアで働くことを考えている日本の方にとって大事なのは、ニュースの見出しよりも、この現場の事情のほうです。

本当の問題は住宅不足と職人不足

南オーストラリア州の州首相は、今の議論は問題を取り違えていると指摘しました。足りないのは住宅で、その住宅を建てる職人も足りない、という見方です。電気工事士や大工などの建設系の職人は、ほとんどの州で深刻に不足しています。職人が来なければ、そのぶん住宅の完成も遅れます。

このため、建設に関わる職種は、州や雇用主によるビザスポンサーの対象として今後も重視されると見られます。ほかのビザの条件が厳しくなる場合でも、この流れは変わりにくいでしょう。日本で大工や電気工事の経験を積んできた方は、職種によって技能審査(スキルアセスメント)が必要になるので、日本の資格や職歴がどう評価されるかを早めに確かめておくと安心です。

ワーキングホリデーの審査は遅くなっています

一方で、すべてのビザが同じように扱われているわけではありません。連邦政府はワーキングホリデービザ(Working Holiday Maker visa)の審査をすでに遅らせ始めています。農業や飲食、観光の仕事は、季節の仕事や未経験から始められる仕事で、ワーキングホリデーの人に大きく頼っています。農業団体などからは、十分な話し合いがないまま決められたという強い反発が出ています。

日本から行く人の多くは、ワーキングホリデーを最初の一歩にしています。これから申請する方は、早めに準備を始め、これまでより待つ時間が長くなると考えておきましょう。また、ワーキングホリデーは雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。ワーホリ中の職場で長く働きたい場合でも、スポンサーを受けるには別の就労ビザが必要です。

州政府は働き手を求めています

今回目立つのは、農家や経済団体だけでなく、与党の州首相たちも連邦政府に異を唱えていることです。ビクトリア州は、移民は州の豊かさに欠かせないとして、医療や農業などの働き手を挙げました。州最大のサービス輸出である留学への影響も心配しています。西オーストラリア州も同じような主張をしています。

これが大事なのは、州政府が独自に、技能ビザや雇用主スポンサーのビザの指名(ノミネーション)を行っているからです。州のトップがここまで働き手の必要性を訴えている以上、連邦の設定がほかの面で厳しくなっても、州指名の枠は増やす方向で働きかけが続くと考えられます。

数字の見方:合計よりも中身

2025年の純海外移民(net overseas migration)は約301,000人でした。コロナ前の目安だった年およそ210,000人を上回っており、野党からは170,000人まで減らすべきだという上限案も出ています。ただ、経済団体は、合計の数字だけを見るのは的外れだと主張しています。留学生、一時滞在の働き手、技能移民、家族ビザがそれぞれどれだけいるかという中身こそが、経済への影響を決めるという考え方です。

実際の政策も、全体を一気に減らすより、条件の見直しや審査の速さ、ビザの種類ごとの上限といった形で変わる可能性が高いと見られています。

日本の方が今できること

  • 建設に関わる職種は、住宅不足を背景に引き続き有望です。日本での経験を英語で説明できるようにしておきましょう。
  • ワーキングホリデーや季節の仕事は、審査の遅れの影響を受けやすい分野です。申請は早めに進めましょう。
  • 州指名の技能ビザは、連邦の一般的な技能移民より安定する可能性があります。
  • 医療と高齢者介護も、州のトップが人手不足を訴えている分野です。

書類の準備も早めに始めておくと安心です。警察の証明書を求められたときは、日本の犯罪経歴証明書(Police Certificate / Certificate of Criminal Record)を用意します。英文の卒業証明書や在職証明書もそろえ、名前のつづりはすべての書類でパスポートのローマ字に合わせましょう。

職人の仕事については職人の技能が移民の近道になりつつある理由で、ワーキングホリデーの変化はワーキングホリデービザの見直しと農場の仕事で詳しく解説しています。どの州を選ぶかで迷っている方は、州ごとの技能移民の違いをまとめた記事も参考にしてください。農場や収穫の仕事はSeasonal Jobs Australiaの季節の仕事情報で探せます。日本で身につけた技能の認定については、RPLDirectで資格の認定について調べることもできます。オーストラリアで働く道を探している方は、ビザスポンサー付きの求人一覧もご覧ください。

よくある質問

オーストラリアは移民の受け入れを減らしているのですか?

全体の数を減らすべきだという議論はありますが、実際の変化はビザの種類ごとの条件や審査の速さに表れる可能性が高いと見られています。建設など人手不足の分野では、働き手を求める声が強いままです。

ワーキングホリデーの申請は今どうなっていますか?

連邦政府はワーキングホリデービザの審査を遅らせ始めています。これから申請する方は、早めに準備し、待つ時間が長くなることを見込んでおきましょう。

ワーホリ中の職場でスポンサーを受けられますか?

ワーキングホリデーは、雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。スポンサーを受けるには、雇用主側の手続きを経て、別の就労ビザを申請する必要があります。

州指名とは何ですか?

州政府が独自に、技能ビザや雇用主スポンサーのビザの候補者を指名する仕組みです。州は人手不足を強く訴えており、連邦の設定が厳しくなっても比較的安定する可能性があります。

求人への応募にお金はかかりますか?

応募は無料です。職業紹介料もかかりません。仕事の紹介やスポンサーと引き換えにお金を求める人には、払わないでください。

まとめ

  • オーストラリアの本当の課題は、住宅不足と、それを建てる職人の不足です。
  • 建設に関わる職種は、州や雇用主によるスポンサーで引き続き重視されると見られます。
  • ワーキングホリデーは審査が遅れており、早めの準備が大切です。
  • 州政府は働き手を求めており、州指名は比較的安定する可能性があります。
  • 犯罪経歴証明書や英文の書類は早めにそろえておきましょう。

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