オーストラリアの移民数「NOM」とは?ワーホリや就労ビザを考える日本人が知っておきたい数字
News · 2026-08-26 · 4 min read

ワーキングホリデーや技能ビザ、留学でオーストラリアへ行こうと考えているなら、覚えておきたい言葉があります。純海外移住者数(Net Overseas Migration, NOM)です。今のオーストラリアでは、どの政党もこの数字を持ち出し、議論し、目標を掲げています。NOMが何を数えているのかを知っておくと、これからのビザの動きを読みやすくなります。
NOMは何を数えているのか
NOMは、オーストラリアに来て1年以上暮らす人の数から、海外へ移って暮らす人の数を引いたものです。ただし、数え方には少し工夫があります。
使われているのは「12/16か月ルール」です。続けて12か月いなくても、16か月のあいだに合計12か月オーストラリアで暮らせば数に入ります。たとえば留学生がひと月ほど帰国しても、合計の期間が足りていれば数えられます。
もうひとつ大事なのは、NOMが外国人だけの数字ではないことです。帰国するオーストラリア市民や永住者、タスマン海を渡って移ってくるニュージーランド人も含まれます。こうした人たちはほぼビザなしで動くため、ビザ政策だけでは調整できません。外交官とその家族は対象外です。太平洋諸国から農業などの働き手を受け入れるPacific Australia Labour Mobility(PALM)制度の働き手は、滞在の長さによって数に入るかどうかが変わります。
最新の数字と、外れ続ける見通し
2025年12月までの1年間のNOMは、およそ301,000人でした。2023年のおよそ556,000人からは大きく減りましたが、政府の見通しはまだ上回っています。財務省(Treasury)は2027–28年度に225,000人まで下がると見込んでいますが、ここ数年の予測は実際の数字を下回り続けてきました。動きの多くが帰国する市民やニュージーランド人によるもので、ビザ政策では動かせないからです。
2024–25年度の内訳は次のとおりです。
| 区分 | おおよその人数 |
|---|---|
| 留学生(多くは高等教育) | 157,000人 |
| 技能ビザ(永住・一時の合計) | 86,000人 |
| ワーキングホリデー | 78,000人 |
| 帰国したオーストラリア市民 | 64,000人 |
| ニュージーランド市民 | 53,000人 |
| 家族ビザ | 24,000人 |
| 人道ビザ | 15,000人弱 |
各政党はどんな数字を掲げているか
主な政党はどこも数を減らすと言っていますが、中身のはっきりさには差があります。
- ワン・ネーション(One Nation):NOMの目標を130,000人としています。党内で発言が揺れた時期もありましたが、130,000人を党の方針として確認しました。卒業生ビザ、留学生の数、技能職種リストの絞り込みを削減の対象に挙げています。
- 保守連合(Coalition):はっきりした数字はまだなく、住宅の建設ペースと結びつけた上限を考えており、200,000人を下回る可能性が示されています。180,000人という案も出ましたが、党内からは距離を置く声が上がりました。地方の雇用主の多くが季節の仕事をワーキングホリデーの人に頼っているためです。
- 労働党(Labor):財務省の見通しである2028年までの225,000人を実質的な目標にしています。大幅なビザ削減よりも、一時ビザの人が期限どおりに出国することを重視し、その間はワーキングホリデーや技能ビザの審査を遅らせるとしています。
日本から行く人が見ておきたいこと
大事なのはNOMの数字そのものより、どのビザが絞り込みの対象として名前を挙げられているかです。留学生ビザ、卒業生ビザ、ワーキングホリデービザ、技能ビザの一部は政治的な注目を集めていて、審査の期間や条件、年間の上限が、家族ビザや人道ビザより近いうちに変わる可能性があります。
ワーホリで働いている方は、雇用主によるビザスポンサーで働く就労ビザとは別のビザだという点も押さえておきましょう。英文の在職証明書や卒業証明書を早めに用意し、名前はパスポートのローマ字にそろえておくと、どのビザに進む場合も役立ちます。
募集中の仕事はビザスポンサー付きの求人一覧で探せます。移民の数が過去最高になったときの記事や、保守連合の上限案と技能職への影響を読む記事もあわせてどうぞ。
よくある質問
NOMは外国人の数だけですか?
違います。帰国するオーストラリア市民や永住者、ニュージーランドから移ってくる人も含まれます。外交官とその家族は含まれません。
ワーキングホリデーは削減の対象になっていますか?
ワーキングホリデービザは、政治的に注目されているビザのひとつです。保守連合からは削減の案が出され、労働党は審査を遅らせるとしています。
政党の目標の数字は、そのとおりになりますか?
実際の数字は、これまで政府の見通しから大きく外れてきました。目標は方向性として受け止め、実際に発表される制度の中身を確かめるのが現実的です。
求人への応募にお金はかかりますか?
応募は無料です。職業紹介料もかかりません。
まとめ
- NOMは、来て暮らす人から出ていく人を引いた数字です。
- 帰国する市民やニュージーランド人も含まれ、ビザ政策だけでは動かせません。
- どの政党も数を減らす考えで、目標の数字はそれぞれ違います。
- 注目すべきは、絞り込みの対象として名前が出ているビザです。
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