日本からオーストラリアの州指名を目指すなら:2026-27年度はどの州が動いている?
Visa guide · 2026-08-19 · 6 min read

技術を生かしてオーストラリアで働く道を考えるとき、州や準州による指名(state nomination)は大きな選択肢の一つです。ただ、指名の枠や条件は年度ごとに変わり、2026-27年度もそれぞれの州で動きがあります。この記事では、各州の発表を順に追うのではなく、「今の状況で、どの州を目指すのが現実的か」という視点で整理します。日本から申請を考える方にも、ワーキングホリデーなどですでにオーストラリアにいる方にも役立つ内容です。
州指名で使う2つのビザと、3つの州の今
州指名で主に使われるのは、技術指名ビザ(Skilled Nominated visa、サブクラス190)と、地方技術就労ビザ(Skilled Work Regional (Provisional) visa、サブクラス491)です。州ごとに関心登録(Registration of Interest)やCanberra Matrixといった事前の登録があり、招待を受けてから指名を申請します。なお、ワーキングホリデービザは、州指名のビザとも雇用主によるビザスポンサーとも別のビザです。
| 州・準州 | 2026-27年度の状況 | 費用 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| タスマニア | 指名枠は合計2,050件。関心登録は2026年8月17日に再開 | 指名の申請料$387(GST込みで$425.70)。登録は無料 | 国外の申請者にはサブクラス491の招待なし |
| ACT(キャンベラ) | 2026年7月30日に新しい申請ポータルが稼働 | 合計$350(Matrix $25、指名$325) | 年度の枠は未発表。職業リストも見直し中 |
| クイーンズランド | 連邦政府からの最終的な枠を待っており、まだ始まっていない | 2026年7月1日から国外$573、国内$630.30(GST込み) | 再開に備えて書類を準備しておく |
タスマニア:見通しを立てやすい州
今年度もっとも計画を立てやすいのがタスマニアです。指名枠はサブクラス190が1,250件、サブクラス491が800件です。前年度の1,200件と650件から、どちらも増えています。関心登録は2026年8月17日に再開し、毎週の招待は8月20日に始まりました。
一方、国外にいる方には大きな変更があります。タスマニアは今年度、国外の申請者へのサブクラス491の招待をすべて止めました。審査の優先順位を定めた大臣指示119号(Ministerial Direction 119)を受けた対応です。審査の優先順位の考え方は、ビザ審査の優先順位を解説した記事でも取り上げています。
例外は1つです。国外の医療職と教員で、条件を満たすタスマニアの雇用主から仕事のオファーを受けている方は、医療・教育分野の求人オファー経路(Health or Education Sector Job Offer Pathway)でサブクラス190を申請できます。すでに491の申請が順番待ちになっている方は、190へ自動で切り替わりません。いったん取り下げて190の関心登録を出し直す必要があり、新しい招待が届くとは限りません。
ACT:申請の仕組みは新しく、枠はまだ
首都特別地域(ACT)は、条件よりも申請の仕組みを作り直しました。新しいポータル(Migration Application portal)では、Canberra Matrixの提出も指名申請もここで行います。多要素認証のログイン、スマートフォンで見やすい画面、申請状況のリアルタイム確認、提出後の修正に対応しています。旧システムの内容は自動で引き継がれますが、最初に登録したときと同じメールアドレスで新しいアカウントを作る必要があります。
Matrixの登録は6か月有効で、期限前に更新すれば12か月まで延ばせます。更新に費用はかかりませんが、同点の場合は更新日の新しさで順位が決まるため、更新すると同点時の位置がリセットされます。ビザや書類の期限が迫っている方向けに審査を早める仕組みもできましたが、使えるのは招待を受けた後です。
クイーンズランド:再開までにできること
クイーンズランドの2026-27年度のプログラムはまだ始まっていません。費用だけが先に上がり、サブクラス190と491のどちらで招待を受けても、表の金額が適用されます。今のうちに、卒業証明書や在職証明書の英文版をそろえ、パスポートのローマ字表記とすべての書類の名前のつづりが同じか確かめておくと、再開後すぐに動けます。費用全体の上がり方は、ビザ費用の値上がりをまとめた記事も参考にしてください。
雇用主と話を進める方へ:FNQ DAMAの変更
クイーンズランド州北部の地域移住協定(Far North Queensland Designated Area Migration Agreement、FNQ DAMA)で海外の人材を雇う雇用主には、2つの変更があります。1つ目は、雇用主指名制度(Employer Nomination Scheme、サブクラス186)の一部の推薦(endorsement)手数料が50%減額されたことです。ただし、対応する技能不足ビザ「Skills in Demand ビザ(サブクラス482)」のポジションとセットにした場合に限ります。2つ目は、年齢と英語の特例(concession)です。後から加えると事務手数料がかかったり、省の審査が遅れたりするため、必要になりそうなら最初の推薦に入れておくほうが得策です。
介護の3職種、Personal Care Assistant、Nursing Support Worker、Aged or Disabled Carerは、当面DAMAの対象に残っています。外す方向の変更案は保留中と伝えられていますが、先行きは分かりません。対象は高齢者介護の職種で、障害者支援の職種には関係しません。
よくある質問
ワーキングホリデー中でも州指名を目指せますか?
ワーキングホリデービザは、州指名のビザとは別のビザです。州指名を受けるには、各州の登録と招待の手続きを改めて進めます。国内か国外かで費用や対象が変わる州もあるので、今いる場所も含めて確認しましょう。
日本からタスマニアのサブクラス491に申請できますか?
今年度は、国外の申請者にサブクラス491の招待は出ていません。国外から目指せるのは、タスマニアの雇用主から仕事のオファーを受けた医療職と教員のサブクラス190です。
ACTの登録は、どのくらい有効ですか?
Canberra Matrixの登録は6か月有効です。期限前に更新すれば12か月まで延ばせます。ただし、更新すると同点時の位置がリセットされます。
クイーンズランドはいつ再開しますか?
まだ決まっていません。連邦政府からの最終的な枠を待っている段階です。新しい費用を確認したうえで、書類の準備を進めておきましょう。
FNQ DAMAの減額は、どの推薦にも使えますか?
いいえ。対象はサブクラス186の一部の推薦手数料で、対応するサブクラス482のポジションとセットにした場合だけです。
まとめ
- 2026-27年度、枠と流れがはっきりしているのはタスマニアです。
- タスマニアは国外の申請者へのサブクラス491の招待を止めています。
- ACTは申請しやすくなりましたが、枠はまだ発表されていません。
- クイーンズランドは再開待ちです。英文の証明書を先にそろえておきましょう。
- 職業、地域、ビザの組み合わせで条件を確かめてから、時間とお金をかけましょう。
#州指名 #190ビザ #491ビザ #タスマニア #キャンベラ #クイーンズランド #オーストラリアで働く
オーストラリアの就労ビザ、英語は何点必要?日本人が技能審査とあわせて確かめたいこと
肩書きより「何をしてきたか」:管理職の日本人がオーストラリアで働くために見られること
482ビザの審査はどの順番?2026年9月19日からの新しい優先順位を日本の申請者向けに整理