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溶接工が足りないオーストラリア:日本で磨いた溶接の技術を生かすチャンスになる?

Tips · 2026-09-30 · 5 min read

オーストラリアの工場で鉄骨の溶接箇所を確認する日本人の男女。

オーストラリアでは、インフラ、防衛、再生可能エネルギーの大きなプロジェクトが計画されていますが、それをつくる熟練の人手が足りないかもしれません。溶接工や鉄骨・製缶の加工職人にとって、この不足は海外で働く入口になる可能性があります。日本で溶接の経験を積んできた方に向けて、業界の今を整理します。

仕事は少ないのに、人は足りない

業界団体のWeld Australiaが行った2026年の業界・人材見通し調査(Industry and Workforce Outlook Survey)からは、業界が2つの方向から圧力を受けている様子が見えてきます。多くの会社が次の仕事がどこから来るのかを心配している一方で、回答者の89.2%は、これからのインフラや防衛の仕事に対して、国内の資格のある溶接工が足りないと答えました。

矛盾しているようですが、調査が示しているのは需要がないことではなく、かみ合わせのずれです。回答者の6割は確定している仕事が3か月分以下で、5人に1人は確定した仕事がまったくありませんでした。加工工場のほぼ60%は、稼働率75%未満で動いていました。理由として、仕事の不足と熟練スタッフの不足の両方が挙げられています。

業界団体のトップは、国内の会社に足りないのは技術力ではなく、仕事を得る機会だと話しています。そのため業界は、公共調達で国内の加工を優先するルール(ローカルコンテンツ要件)を強め、より多くのプロジェクトが国内の加工会社に回るよう働きかけています。

業界が政府に求めていること

Weld Australiaは、連邦政府と州政府に次のことを求めています。

  • 公共プロジェクトでのローカルコンテンツ要件を強める
  • どこでつくられたかにかかわらず、加工された鋼材を第三者が検証する仕組みを入れる
  • 提案されているAustralian Fabrication Authorityを後押しする
  • 中小企業が先進的な製造技術を取り入れるのを助ける
  • 契約を決めるとき、初期費用の安さだけでなく、使い終わるまでの全体の価値を見る

大きな論点は、基準を満たしているかどうかです。回答者の約71.4%は、輸入された加工品が少なくとも時々オーストラリアの基準を満たしていないと答え、53.6%は、それがよく、またはとてもよく起きると答えました。

苦しい中でも、人と設備に投資する会社

コストも業界を圧迫しています。82.1%がエネルギー価格の上昇を、78.5%が材料費の上昇を挙げましたが、販売価格を上げたのは28.5%だけでした。40%近くは粗利益率が下がっています。

それでも、回答者の半数は技術への投資を増やし、42.8%は社員の研修、39.2%は研究開発への投資を増やしました。人と設備に投資している雇用主は、働く側から見ても選びたい職場です。

日本の溶接工にとって何を意味するか

溶接工、ボイラーメーカー(製缶工)、加工職人として資格と経験がある方は、次のように読むことができます。

  1. 技能への需要は長く続く。防衛、インフラ、再生可能エネルギーのプロジェクトは完成まで何年もかかり、調査は資格のある人材がボトルネックになっていることを示しています。
  2. 基準が大事。オーストラリアの溶接・加工の基準を守ることが重視されているため、雇用主はその基準を理解し、実際に示せる人を評価します。資格証と、経験を記録した書類が役に立ちます。日本で取った溶接の資格は、英文の資格証や在職証明書と一緒に示せるよう準備しておきましょう。
  3. 研修も一つのカギ。業界は、見習い制度(apprenticeship)とその前段階のプログラム、TAFEでの学び、業界主導の研修を増やすよう求めています。すでに高い技能を持つ移住者はこの仕組みに入れる可能性があり、技能審査(スキルアセスメント)や免許のために追加の研修が役立つ人もいます。
  4. 仕事としての評価は、まだ途中。回答者の約79.5%は、溶接という仕事が本来受けるべき評価を受けていないと感じています。業界はこの仕事の地位を上げようとしており、時間とともに給与や働く条件がよくなる可能性があります。

技能審査の準備には、RPLDirectで資格と経験の認定について調べることもできます。溶接の資格や担当した仕事を英語で伝えるなら、Build AI CVで溶接の経歴が伝わる英文CVを作る方法もあります。

動き出す前に確認したいこと

技能移民のルールや職業リストはよく変わり、一つの業界で人手が足りないからといって、ビザの対象になるとは限りません。自分の職種について、技能不足ビザ「Skills in Demand ビザ」の最新の設定、職業リスト、技能審査の条件を内務省(Department of Home Affairs)のウェブサイトで確認するか、登録移民エージェントに相談してください。なお、ワーキングホリデービザは、雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。ワーホリ中に溶接の仕事をしていても、スポンサー付きで働くには就労ビザを別に申請する必要があります。

同じテーマは職人不足と技能移民についての記事や、技能職が移住の有力な道になっている理由をまとめた記事でも取り上げています。

よくある質問

オーストラリアでは本当に溶接工が足りないのですか?

業界の調査では、回答者の89.2%が、これからのインフラや防衛の仕事に対して資格のある溶接工が足りないと答えています。一方で、確定した仕事が少ない会社も多く、需要と人材のずれが起きています。

人手不足なら、ビザは取りやすくなりますか?

一つの業界で人手が足りないことと、ビザの対象になることは別の話です。職業リストや技能審査の条件を、内務省のウェブサイトで確認することが大切です。

日本の溶接の資格は、そのまま使えますか?

そのまま通用するとは限りません。職種によっては技能審査(スキルアセスメント)が必要になるので、資格証や経験の記録を英語で示せるよう、早めに準備しておくと安心です。

どんな雇用主を選ぶとよいですか?

調査では、苦しい中でも技術や社員の研修に投資している会社がありました。人と設備に投資している雇用主は、長く働く職場として検討する価値があります。

まとめ

  • オーストラリアの溶接業界は、設備に余裕がある一方、資格のある人材と確定したプロジェクトが足りていません。
  • 回答者の89.2%が、資格のある溶接工が足りないと答えています。
  • オーストラリアの基準を理解し、資格と経験を書類で示せる人が評価されます。
  • 人手不足がそのままビザにつながるわけではないので、最新のルールを確認しましょう。
  • 今の募集はビザスポンサー付きの求人一覧から探せます。

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