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人が採れないと客を失う?オーストラリアの人手不足と海外チームの調査から日本人が読み取れること

News · 2026-09-10 · 5 min read

シドニー港を望む明るいオフィスで、円卓を囲んで話し合う日本人の男女4人。

オーストラリアの企業が、帳簿には表れにくいコストを抱えています。必要な人をすぐに採用できないことによる損失です。人材を海外に置く企業を対象にした新しい調査で、採用の遅れが社内の悩みにとどまらず、売上や顧客の信頼に直接響いている様子が数字で示されました。オーストラリアで働くことを考えている日本の方にとっても、現地の人手不足の深さを知る手がかりになります。

空いたポストが、顧客を失う原因に

人が足りないのは一時的な不便だと思われがちです。しかし調査の結果は違いました。回答した雇用主の約3社に1社が、採用の難しさのせいですでに顧客を失ったと答え、ほぼ同じ割合がサービスの質が落ちたとしています。

  • 3分の1近くが、プロジェクトの締め切りに間に合わなかった
  • 4分の1を超える企業が、契約を失ったり遅らせたりした
  • 4分の1を超える企業が、新しい仕事の依頼を断った

海外に目を向ける前、多くの企業では国内の重要なポストが30日から60日も空いたままでした。競争の激しい業界では、取引先との関係が悪くなったり、計画が崩れたりするのに十分な長さです。

海外チームを広げる理由が変わってきた

今回の結果で目立つのは、海外チームが増えていることだけではありません。増えている理由と、任される仕事の中身が変わってきています。理由の上位2つは「スキル不足」と「賃金の上昇」で、それぞれ雇用主の約10社に4社が挙げました。法令順守に関わるコストやリスクがそのすぐ後に続きます。以前は当たり前だった「コストを下げるため」という理由は、順位を下げました。

調査した企業の3分の2近くがすでに海外チームを持ち、まだ持っていない企業の3分の2も、今後2年で投資を増やす計画です。減らそうとしている企業はほとんどありません。

任される仕事も変わりました。いちばん多いのは今もカスタマーサポートですが、以前は専門性が高すぎる、機密が多すぎると考えられていた分野も対象になっています。

  • ITとエンジニアリング
  • データと分析
  • 経理・財務、サイバーセキュリティ
  • 法務、人事

雇用主は、ここ3年で海外の仕事がより戦略的で、知識を必要とするものになったと答えています。

人材はどこに置かれているか

中心は今も東南アジアです。単独の国ではフィリピンが最も多く、インドと東ヨーロッパが続きます。ベトナムとマレーシアも新しい選択肢として伸びています。企業は一つの国に頼らず、スキル、コスト、規制のバランスを見ながら分散させているようです。

AIで人が要らなくなるわけではない

AIが広がれば海外の人員は減る、と考える人は少なくありません。ところが調査では反対のことが起きていました。雇用主の3分の2がすでに何らかの形でAIを使っており、海外チームのAI活用は国内のチームと同じか、それ以上のペースで進んでいます。海外チームの中で最も伸びている職種は、データアナリスト、AIエンジニア、自動化の専門家でした。

AIは決まった作業を自動化しますが、判断し、データを読み解き、AIの仕組みを現場に合わせて管理できる人の需要は増えています。一方で、雇用主の3分の1近くは、海外チームにAIの正式な研修をまったく行っていません。こうした経験を持つ人は、国内外を問わず評価されやすい状況です。

定着率と法令順守の課題

海外の人員はすぐ辞める、という思い込みもデータでは否定されました。調査に答えた海外のスタッフの大多数が、勤め先を誇りに思い、この先1年は今の職場に残るつもりで、転職を考えることはほとんどないと答えています。ただし、もっと良い条件があれば移ると答えた人も一定数いて、働き方の柔軟さと給与が引き留めの最大の要素でした。

法令順守では、多くの企業がここ3年で求められる水準が大きく上がったと感じている一方、今の体制に自信があるのは約4分の1にとどまります。どの規制の基準が自社の海外の体制に当てはまるのか、わからない企業も3分の1近くありました。個人情報の保護、情報セキュリティ、現代奴隷(modern slavery)に関するルールは、世界的に厳しくなっています。

日本からオーストラリアで働きたい方へ

この調査は、企業が海外に置くチームについてのものです。オーストラリアに移って働く話そのものではありません。それでも、国内のポストが長く埋まらず、企業が売上を失うほど人手が足りていないことははっきりしています。IT、データ、AIに関わる経験は、どこで働く場合でも強みになりそうです。

現地で働く道を考えるなら、ビザスポンサー付きの求人を見てみましょう。応募は無料です。人手不足と移民の議論については、オーストラリアのスキル不足を取り上げた記事や、国内と海外のチームを組み合わせる企業の記事も参考になります。スキルや職歴を雇用主にわかりやすく見せたい方は、Talent Tabloidのプロフィールを作っておく方法もあります。なお、ワーキングホリデーは雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。

よくある質問

オーストラリアでは、どのくらいの期間ポストが空いていたのですか?

調査では、海外に目を向ける前、多くの企業で国内の重要なポストが30日から60日空いていました。その間に顧客や契約を失った企業もあります。

海外チームに任される仕事は、カスタマーサポートだけですか?

いいえ。いちばん多いのはカスタマーサポートですが、IT、データ分析、経理・財務、サイバーセキュリティ、法務、人事にも広がっています。

AIが広がると、人の仕事はなくなりますか?

調査では、むしろデータアナリストやAIエンジニア、自動化の専門家が最も伸びている職種でした。決まった作業は自動化されても、判断やデータの読み解きができる人の需要は増えています。

この調査は、オーストラリアへの移住に関係がありますか?

直接は、企業が海外に置くチームについての調査です。ただ、現地の人手不足の深さを示す内容で、オーストラリアで働く道を考える際の背景として役立ちます。

まとめ

  • オーストラリアでは採用の遅れで顧客や契約を失う企業が出ています。
  • 国内の重要なポストが30日から60日空いていた企業が多くありました。
  • 海外チームを広げる主な理由は、スキル不足と賃金の上昇です。
  • データアナリスト、AIエンジニア、自動化の専門家の需要が伸びています。

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