ニュージーランドの移民増は留学生のおかげ?2026年7月の数字から見える本当の流れ
News · 2026-09-15 · 4 min read

ニュージーランドの移民の数が、2026年7月に大きく増えました。数字だけを見ると「移民が戻ってきた」と思えますが、中身を見ると少し違う姿が見えてきます。増えた理由の中心は、一般的な移民の回復ではなく留学生でした。ニュージーランドで働くことを考えている日本の方に向けて、数字の読み方を整理します。
7月の純移民は前の年の2倍以上
ニュージーランド統計局(Stats NZ)の発表では、2026年7月の純移民(入ってきた人から出ていった人を引いた数)は5,200人の増加でした。2025年7月の2,300人と比べて、2倍以上です。
7月に入国した移民は13,900人で、前の年より19%増えました。出国した人は7%減って8,700人です。注目したいのは、入国した移民のおよそ5人に2人が学生ビザだったことです。ちょうど大学の第2学期が始まる時期と重なっています。この季節的な留学生の増加を除くと、「回復」という印象はかなり弱まります。
年間で見ると、まだ平均を大きく下回る
2026年7月までの12か月間の純移民は20,300人の増加で、前の年の9,600人から増えました。数字の上では明るい話です。ただし、これまでの7月までの12か月間の平均は、31,000人近くの増加でした。今回増えたあとでも、ニュージーランドは長い目で見た平均をはっきり下回っています。
この20,300人の内訳には、まったく違う2つの流れがあります。
- ニュージーランド国籍以外の人:58,700人の増加
- ニュージーランド国籍の人:38,300人の減少
外国から来る人は増えている一方で、自国の人は出ていき続けています。新しい動きではありませんが、見過ごせない点です。
オーストラリアへ向かう人の流れは続いている
2025年12月までの12か月間で、ニュージーランドはオーストラリアとの間で28,400人の純減となりました。オーストラリアから来た人が19,100人だったのに対し、オーストラリアへ渡った人は47,500人にのぼります。
過去と比べると、この数字の重さが分かります。オーストラリアへの純減は、2004年から2013年までは年に平均約30,000人でした。2014年から2019年には年に約3,000人まで大きく減っています。今の28,400人は、コロナ禍の前の落ち着いた時期より、以前の流出が多かった時期に近い水準です。オーストラリアへ引き寄せられる流れは、弱まるどころか強まっています。
これからの見通し
今の数字から言えるのは、「移民が回復している」ということではありません。移民の増加の多くを支えているのは留学生です。その一方で、自国の人のオーストラリアへの流出や、長期の平均に届かない状況は続いています。留学生がその後も長く住む人になるのか、一時的なビザで入れ替わっていくだけなのか。それによって、7月の増加が本当の流れの始まりなのか、学期に合わせた一時的な動きなのかが決まりそうです。
日本からニュージーランドで働きたい人へ
統計は、ニュージーランドが国籍以外の人の流入に支えられている一方で、自国の人が出ていき続けている姿を示しています。日本からニュージーランドで働くことを考えるなら、まず雇用主がスポンサーになる認定雇用主就労ビザ(Accredited Employer Work Visa, AEWV)の仕組みを知っておきましょう。ワーキングホリデーで今ニュージーランドにいる方も、ワーキングホリデーと雇用主によるビザスポンサーは別のビザだという点に注意が必要です。
AEWVの基本はAEWVの解説ページにまとめています。ニュージーランドに戻る人たちを取り上げた記事や、ニュージーランドの雇用データの記事もあわせて読むと、全体の流れがつかみやすくなります。募集中の仕事はニュージーランドのビザスポンサー付きの求人で探せます。
よくある質問
2026年7月の純移民はどれくらいでしたか?
5,200人の増加で、2025年7月の2,300人の2倍以上でした。入国した移民のおよそ5人に2人が学生ビザでした。
年間で見ると、移民は回復していますか?
2026年7月までの12か月間の純移民は20,300人の増加で、前の年より増えました。ただ、これまでの平均の31,000人近くには届いていません。
ニュージーランドの人は今もオーストラリアへ移っていますか?
はい。2025年12月までの12か月間で、オーストラリアとの間で28,400人の純減でした。2014年から2019年の年約3,000人と比べると、大きく増えています。
ワーキングホリデーのまま雇用主のスポンサーを受けられますか?
ワーキングホリデーは、雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。スポンサーを受けて働くには、AEWVなどの就労ビザを新しく申請する必要があります。求人への応募は無料です。
まとめ
- 2026年7月の純移民は5,200人の増加で、前の年の2倍以上でした。
- 増加の中心は、第2学期に合わせて入国した留学生です。
- 年間の純移民は20,300人で、長期の平均にはまだ届いていません。
- ニュージーランド国籍の人は減り続け、オーストラリアへの流出も続いています。
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