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ワーホリの延長は抽選へ:オーストラリアの移民制度の見直しで、日本から働きたい人が知っておきたいこと

Visa guide · 2026-09-19 · 5 min read

シドニー湾を望む明るい室内で、白い用紙を前に相談する日本人の男女。

オーストラリア政府が、移民制度の大きな見直しを発表しました。柱になるのは、純海外移民(net overseas migration)を、ゆるやかな見通しではなく、はっきりした目標の数字で管理することです。目標は今の会計年度が245,000人、翌年度が225,000人です。留学生、ワーキングホリデーで渡航する人、技能を持つ働き手のどの立場にとっても、計画の立て方が変わる内容です。

ここでは、日本からオーストラリアで働くことを考えている方や、今ワーキングホリデーで現地にいる方に向けて、押さえておきたい点を整理します。

考え方は「目的に合ったビザを使う」

見直し全体を通しているのは、短い滞在には一時ビザ、長く住むなら永住のためのビザ、どちらにも当てはまらなければ帰国する、という考え方です。言葉にすると単純ですが、多くの人が何年も頼ってきた道筋が、この考え方に合わせて組み直されます。

ワーキングホリデーの延長は抽選に

日本の若い人にもなじみのあるワーキングホリデー制度(Working Holiday Maker program)は、仕組みが大きく変わります。多くの国では審査の速さが通常に戻りますが、最初の1年より長く滞在できるかどうかは、抽選しだいになります。

  • 2年目:枠は45,000人です。抽選に申し込む前に、これまでどおり地方での88日間の仕事が必要です。
  • 3年目:枠は5,000人だけで、地方での仕事が半年必要です。

例外は英国です。英国との自由貿易協定(FTA)では地方での仕事が求められません。協定の発効後、英国からの利用者はおよそ17,000人から80,000人近くまで増えたため、英国の枠は意図的にゆっくり進められます。この例外は英国だけのものです。日本から行く方が延長を考えるなら、地方での仕事の日数を早めにそろえておくことが大切です。地方の仕事は、Seasonal Jobs Australiaで農場や収穫の仕事から探すこともできます。

なお、ワーキングホリデービザは、雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。抽選に外れたあとも現地で働きたい場合は、スポンサー付きの就労ビザなど、別の道を考えることになります。

職人の技能が、学位と同じくらい評価される

技能移民のポイントテスト(points test)では、職人、とくに建設の技能の評価が見直され、大学の学位と同じくらいの重みを持つようになります。また、大臣指示119号(Ministerial Direction 119)も調整され、建設、医療、農業、漁業、教育の職種の審査が優先されます。以前の指示では、国外からの技能ビザの申請が後回しにされ、審査に1年以上かかる例も出ていました。

日本の現場で経験を積んできた職人の方には、追い風になりうる変化です。職種によっては、日本での資格や経験がどう評価されるかを、技能審査(スキルアセスメント)で確かめる必要があります。

留学生は、学校や課程の乗り換えが難しく

影響が大きいとされるのが、滞在を延ばすために学校や課程のレベルを次々と変える「ビザホッピング」への対策です。

  • 学校を変えたい場合は、ビザを新しく申請し直す必要があります。
  • 課程を終えたあとは、上のレベルの資格にしか進めません。学士から修士へは進めますが、同じレベルや下のレベルへは移れません。
  • 留学生が家族を連れて行くことは、おおむねできなくなります。太平洋諸国とASEANの国籍の方、博士課程の学生、すでにオーストラリアで暮らしている家族は例外です。

留学から現地での仕事につなげたいと考えていた方は、最初の学校選びがこれまで以上に重要になります。

ルール違反への取り締まりも強化

政府は、すでにビザの条件に違反している人への対応も強めます。取り締まりの担当官を100人、収容施設のベッドを250床増やし、メルボルンにあるかつての検疫施設の活用も検討しています。オーバーステイを防ぐため、2015年より前の収容の運用に戻すことも目指しています。

見込みの薄い申請を出すよう依頼人に勧める移民エージェントには、新しい罰則が設けられます。ビザの取得を約束する話には注意してください。相談料や移民エージェントへの報酬は合法ですが、払う相手は登録移民エージェントに限り、書面で契約を交わし、領収書を受け取りましょう。仕事の紹介やスポンサーの見返りにお金を払うことは、オーストラリアでは違法です。

「大量移民」ではないという説明

政府は、オーストラリアが「大量移民」の状態にあるという見方を否定しています。2030-31年度の人口は、コロナ禍の前の予測より700,000人少なくなる見通しです。「建設作業員ではなくヨガの先生を受け入れている」という批判に対しても、現政権のもとで来た建設作業員は15,000人、ヨガの講師はゼロだったと反論しました。

大切なのは、移民政策が「需要に合わせて受け入れる」形から、「枠を決めて管理する」形へ移っていることです。いつ申請するか、どの道を選ぶかが、これまで以上に結果を左右します。

ワーキングホリデーの抽選はワーホリの抽選制を詳しく取り上げた記事、審査の順番は審査の優先順位の変化をまとめた記事でも説明しています。職人として移住を考える方は、職人の技能が移住の強みになる理由の記事も参考にしてください。今の募集はビザスポンサー付きの求人一覧で確認できます。

よくある質問

ワーキングホリデーの2年目は、もう取れないのですか?

取れなくなるわけではありません。枠は45,000人で、地方での88日間の仕事をしたうえで抽選に申し込む形になります。

英国のように、日本も地方での仕事が免除されますか?

地方での仕事が求められないのは、自由貿易協定のある英国の例外です。日本から行く方は、地方での仕事の条件を前提に計画しましょう。

職人にとって、今回の見直しは有利ですか?

ポイントテストで職人、とくに建設の技能の評価が上がり、建設などの職種の審査も優先されます。追い風になりうる変化ですが、資格や経験の評価は職種ごとの確認が必要です。

ワーキングホリデー中の職場で、そのままスポンサーを受けられますか?

ワーキングホリデービザとスポンサー付きの就労ビザは別のビザです。スポンサーを受けるには、雇用主側の手続きを経て、就労ビザを新しく申請する必要があります。

まとめ

  • 純海外移民は、今年度245,000人、翌年度225,000人という目標で管理されます。
  • ワーキングホリデーの2年目と3年目は抽選になり、地方での仕事の条件も続きます。
  • 職人、とくに建設の技能の評価が上がります。
  • 留学生は、学校や課程の乗り換えと家族の帯同が難しくなります。
  • 「行ってから考える」より、最初から道筋を決めておくことが安全です。

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