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失業率4.5%なのに職人が足りない?オーストラリアの建設業と日本の技能者の出番

News · 2026-08-21 · 5 min read

オーストラリアの住宅建設現場で木造の骨組みを確認する日本人作業員の男女3人。

オーストラリアの建設業は、少し不思議な状況にあります。失業率は上がっているのに、建設会社は工事を進めるための人を見つけられずにいるのです。これは、この国の住宅の先行きにも関わる問題です。

オーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics, ABS)の2026年7月の労働力統計(Labour Force)では、全国の失業率は4.5%に上がり、経済全体で約15,800人分の仕事が減りました。減った仕事の多くはパートタイムです。労働市場が落ち着けば、雇用主が人集めに困ることも減りそうに思えます。ところが建設業では、その逆が起きています。

ほかの業界が落ち着いても、現場は人手不足のまま

採用が全体として冷え込むなかでも、建設業では必要な人数に対して、まだ非常に多くの働き手が足りません。さらに、見習い(apprenticeship)を始める人の数は、過去5年でいちばん少なくなりました。将来の職人を育てる流れが細っているのに、新しい住宅への需要は高まっています。

しかも、これは一時的な波ではありません。オーストラリアは全国住宅協定(National Housing Accord)のもとで、2029年半ばまでに1.2 million戸の新しい住宅を建てると約束しています。そのうえ、オリンピックに向けたインフラや、すでに動いている重要なプロジェクトもあります。どれも、金づちを振るい、コンクリートを流し、現場をまとめる人がいなければ進みません。

国内で人を育てるには時間がかかる

業界からは、最近削られた見習い向けの支援策を元に戻すことや、授業料のかからない職業訓練(Fee-Free TAFE)を広げることを求める声が出ています。どちらも必要な対策ですが、新しい職人を育てるには何年もかかります。一方で、住宅不足は月単位で深刻になっています。

移民制度のどこが追いついていないのか

この時間のずれを埋められるのが、技能を持つ人の受け入れです。ところが今の制度は、その役割を十分に果たせていません。審査には時間がかかり、雇用主にも申請者にも費用が重くのしかかります。職業リストやビザの道筋も、大工、電気工、配管工、現場監督など、オーストラリアが最も必要としている職種を一貫して優先しているとは言えません。

住宅の目標を支えるために、業界では次のような見直しを求めています。まだ決まった制度ではなく、提案の段階です。

  1. 建設関係の職業の審査を早くし、雇用主が何か月も待つあいだに工事が止まらないようにする。
  2. 海外ですでに資格を持つ職人のために、わかりやすく、より開かれた道をつくる。海外の職業資格の認め方もよくする。
  3. 地方向けのビザや雇用主スポンサー型のビザの設定を、大都市だけでなく、住宅の需要が本当に高い地域に合わせる。
  4. 技能職業リストで建設の職種をきちんと優先し、ほかの多くの職種と同じ列に並べないようにする。

日本の職人・技能者が今から準備できること

失業率が上がっても、建設の現場が抱える「人が少なく、仕事が多く、育成が追いつかない」という構図は変わりません。見習い制度の立て直しは長い目で見た投資で、移民制度の見直しは早く人を届けられる手段だと考えられています。ただし、制度がいつ、どう変わるかはまだわかりません。

日本で大工や電気工、配管工、現場管理の経験がある方は、今のうちに書類を整えておくと動きやすくなります。英文の在職証明書や資格の証明書を用意し、日本語の書類は必要に応じて英訳を準備しましょう。職種によっては技能審査(スキルアセスメント)や、IELTS・PTEなどの英語の試験が必要になります。名前のつづりは、すべての書類でパスポートのローマ字にそろえてください。経験や資格をまとめた英文CVは、Build AI CVで英文CVを作成することもできます。

また、ワーキングホリデービザ(Working Holiday visa)は、雇用主がスポンサーになる就労ビザとは別のビザです。ワーホリで現場に入っている方も、スポンサーを受けるには雇用主側の手続きと新しいビザの申請が必要です。

募集中の仕事はビザスポンサー付きの求人一覧で探せます。関連する記事として、建設業の課題は人数だけではないという記事と、ニュージーランドのインフラ工事の人手不足についての記事もどうぞ。

よくある質問

失業率が上がっているのに、なぜ建設業は人手不足なのですか?

減った仕事の多くはパートタイムで、建設の現場で必要な技能を持つ人の不足とは別の動きです。見習いを始める人も減っていて、住宅の需要に育成が追いついていません。

どんな職種が特に足りないのですか?

大工、電気工、配管工、現場監督などです。こうした職種が、今の職業リストやビザの道筋で一貫して優先されていないことも、課題として挙げられています。

移民制度の見直しは、もう決まったのですか?

いいえ。審査を早くすることや、海外の資格の認め方をよくすることなどは、業界が求めている提案の段階です。最新の情報は内務省(Department of Home Affairs)の公式サイトで確認してください。

仕事やスポンサーのためにお金を求められたら、どうすればいいですか?

仕事のオファーやスポンサーと引き換えにお金を払うことは、オーストラリアでもニュージーランドでも違法です。相談料や移民エージェントの費用は合法ですが、登録移民エージェントか認可移民アドバイザーにだけ、書面の契約と領収書のある形で払いましょう。ビザの取得を約束する話や、個人口座への急な振り込みには注意してください。

まとめ

  • オーストラリアの失業率は4.5%に上がりましたが、建設業の人手不足は続いています。
  • 見習いを始める人は過去5年で最も少なく、住宅の需要に育成が追いついていません。
  • 2029年半ばまでに1.2 million戸の新しい住宅を建てる目標があります。
  • 審査の早さや海外の資格の認め方など、移民制度の見直しが求められています。
  • 日本の職人は、英文の書類や英語の試験などを早めに準備しておきましょう。

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