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キャンベラでレンガ職人が足りない:資格を持つ日本の職人にとって何を意味する?

News · 2026-08-24 · 5 min read

キャンベラの建設現場で、れんがを積む日本人女性と水平を確認する年配の日本人男性。

キャンベラでは新しい建物が次々に建っていますが、それを支えるレンガ職人は減り続けています。首都特別地域(Australian Capital Territory, ACT)全体で、レンガ職人を目指して訓練を受けている人は、今わずか7人です。同じ期間に建設業で働く人は10%増えた一方、見習い(apprenticeship)の数は20%減りました。現場を支えているのは、引退が近い年代のベテランが中心です。

地元の業界にとっては深刻な問題ですが、資格と現場経験を持つ職人にとっては、需要が長く続く市場ともいえます。この記事では、日本でレンガやブロックの仕事をしてきた方、建設の仕事でオーストラリアで働くことを考えている方に向けて、この状況の読み方を整理します。

資格を確かめない仕組みが生んだこと

意外に思われるかもしれませんが、ACTではレンガ積みは免許が必要な職業ではありません。商業施設でも住宅でも、資格を証明しなくても法律上はレンガを積めます。業界で長く職人を育ててきた関係者は、きちんと訓練を受けていない人による仕上がりのばらつきを、現場で何度も見てきたと話しています。

これは業界にとっては品質の問題です。一方で、正式な資格と現場経験を持つ職人にとっては、しっかり訓練を受けたレンガ職人が少なく、そのぶん大事にされる市場だということです。キャンベラで長年レンガ工事の会社を営む経営者も、仕事はあるのに、安心して任せられる職人が足りないと話しています。

不足が一時的ではない3つの理由

  1. 見習いが育ちにくい。レンガ職人の見習いは、主に住宅の工事で育ちます。ところが今のACTでは住宅の工事が落ち込み、人手を求めているのは商業施設やインフラ(ライトレールの延伸を含む)の工事です。住宅の仕事が少ないと、4年間の見習いを引き受ける雇用主も減ります。
  2. 始めても続かない。住宅産業協会(Housing Industry Association)は、見習いを始める人に比べて、修了する人がずっと少ないと指摘しています。体力的にきつい仕事であることに加え、こての技術を磨く前に雑用ばかりになり、一人前になる前に辞めてしまう人が多いのです。
  3. 職人の高齢化。現場では40歳以上の職人が当たり前になっています。新しい見習いや海外からの技能者が入らなければ、その技術は引退とともに失われます。

さらにACT政府は、2030年までに30,000戸の新しい住宅を建てる目標を掲げています。訓練中の人が7人では、この規模の目標に追いつくのは難しいでしょう。

日本から目指す方が準備しておきたいこと

ACTで免許が求められないからといって、何も証明しなくてよいわけではありません。地元の制度がふるい分けをしないぶん、雇用主は応募者の資格と経験を自分で見極めます。自分の技術をはっきり示せる人ほど、話が進みやすくなります。

  • 日本で取った資格や修了した訓練が、オーストラリアでどう評価されるかを確かめます。ビザによっては技能審査(スキルアセスメント)が必要です。オーストラリアの資格の仕組みは、RPLDirectで技能認定について調べることもできます。
  • 卒業証明書や在職証明書は英文版を用意し、担当した工事や作業の内容を具体的に書けるようにしておきます。
  • パスポートのローマ字表記と、すべての書類の名前のつづりをそろえます。
  • 職歴をまとめた英文CVを用意します。Build AI CVで英文CVを作成すると、現場経験を整理しやすくなります。

今ワーキングホリデーでオーストラリアにいる方は、ワーキングホリデービザ(Working Holiday visa)が、雇用主によるビザスポンサーとは別のビザであることも覚えておきましょう。建設業の人手不足については、海外の職人に開かれつつある建設業の人手不足の記事や、職人不足が技能移民のチャンスになる理由をまとめた記事でも詳しく取り上げています。

よくある質問

ACTでは資格がなくてもレンガ職人として働けますか?

ACTでは、レンガ積みは免許が必要な職業ではありません。ただし、ビザの申請や雇用主の採用では、資格や経験の証明を求められることがあります。必要な書類は、ビザの種類と雇用主によって変わります。

人手不足なら、ビザのスポンサーは受けやすいですか?

技能の不足がはっきりしている市場では、採用が早く進んだり、スポンサーに前向きな雇用主が増えたりする傾向があります。とはいえ、スポンサーやビザが約束されるわけではありません。求人ごとの条件を確認しましょう。

体力面で気をつけることはありますか?

レンガ積みは体力を使う、きつい仕事です。現地の見習いが辞める理由の一つにもなっています。経験と体力の両方に自信がある方に向いた仕事です。

ワーキングホリデー中に建設の仕事をすれば、そのまま残れますか?

ワーキングホリデービザは、雇用主によるビザスポンサーとは別のビザです。現地で働いた経験は役に立ちますが、長く働き続けるには別のビザが必要です。

まとめ

  • ACTでレンガ職人を目指して訓練中の人は、わずか7人です。
  • 見習いの減少、途中で辞める人の多さ、高齢化が重なり、不足は長く続きそうです。
  • ACTではレンガ積みに免許は要りませんが、資格と経験をはっきり示せる人が評価されます。
  • 英文の証明書と英文CVを早めにそろえ、募集中のビザスポンサー付きの求人を確認しましょう。

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